明日の千葉を見つめて
活動日記
分析は大事
11/08/24

 今日は午後から、都市行政問題研究会第94回総会が全国都市会館で行われましたので、参加してきました。この研究会は、全国市議会議長会のひとつの研究会で、人口25万人以上の自治体の議長によって構成されております。平成22年度、23年度の研究テーマは、「都市の地域再生戦略」ということで様々な調査活動が行われております。今回の総会では、これまでの活動についての事務報告がなされた後、協議事項として、「平成22年度の決算について」「テーマに沿った現地調査として熊本市と春日井市の報告」「報告書の構成内容について」「テーマに沿った座談会を開催することについて」そして「今後の日程(案)について」が審議され、全ての議案は全員一致で決しました。なお、参考資料として「都市の地域再生戦略」に関する加盟市アンケート調査結果の分析が添付されておりましたが、その内容に、地域再生を果たす都市と実力の無さを露呈する都市に二極分化され、破たんした都市は優良な都市に吸収される「第二の平成の大合併」が起きる可能性を示唆しているのは非常に興味深いことであります。
 
 総会終了後は、座談のメンバーにもなっている(財)地域開発研究所の主任研究員である牧瀬稔氏から「市議会から発信する地域再生戦略」という演題でご講演頂きました。講演の流れは以下の通りです。
①「地域再生」の意味は何か
②地域再生の事例紹介(境港市)
③地域再生の事例紹介(檜原村)
④地域再生の背景
⑤市議会から発信する地域再生戦略

 以上の講演の中で、牧瀬氏が強調していた主なポイントを紹介します。
・地域再生できない地域もある。当然、「しない」という選択肢もある。
・原点に立ち返る。地方自治体の目的は何か。自治法第1条の2「住民の福祉の増進」。逐条解説「住民=住民登録している人、福祉=幸福感」。幸福感は人様々。
・地域再生という概念は100人100様。意味を明確にしなければならない。数値目標を持つ。
・再生の意味。「衰え死にかかっていたものが生き返ること」死にかかっているものにも段階があり、それぞれの段階で取り組む内容が違うため、現状把握をしなければならない。
・地域再生は多義的である。スローガン向きだが、ゴールを明確にしないと失敗する。(問題提起)
・国では6点の方向性を示してるが、個人的には1点突破の方が結果が出やすい。(選択と集中)
・地域再生は手段であって目的でない。全議員や全職員が共有化していないと庁外にも広がらない。
・境港市「水木しげるロード」は取り組み期間が長い。大きいやかんに例えると沸騰しにくいが冷めにくい。成功要因として人事の固定化。2~3年では結果でなければ、住民の信用は得られない。→「協働の失敗」最低5年、できれば7~10年の異動スパンが望ましい。
・余談だが地域ブランドが成功している上位20自治体中、税収が上がっているのは2自治体。ブランド化がうまくいっても税収も増えなければ、人口も増えない。しかし、確実に住民の生活環境は改善する。(幸福感の増進)
・いずれの事例の成功要因は「ブランド化の実現」「長期的な取り組み」「行政資源の特化」だと考えられる。ちなみにブランド化とは差別化。オンリー1は競争にならない。しかし、二番煎じは競争になり、成功しない。
・自治体を「経営」の視点に立つと、「顧客(住民)の開拓」が都市間競争の目的。しかし、住民にも様々ある。どこをターゲットにするのか。
・住民には定住人口と交流人口があり、定住には持ち家、借家の区分、さらには独身か既婚か、男性か女性か、DINKS、DIWKS、SINKS、SIWKS。もっと言えば、年代や年収の階層がある。
・当然、交流人口も同じ因数分解ができる。
・またどこから流入するのか分析するのも面白い。住民基本台帳をデータベース化。横須賀市は、品川区と横浜市金沢区が多い。ターゲット化できる。
・流山市は、定住で持ち家、DIWKSの30~40代で年収1000万円以上をターゲットにし、市の平均年齢が下がっている。成功要因としてつくばエキスプレスの存在は否定できない。
・市議会から発信する地域再生戦略は「議員提案の政策条例」。条例には継続性がある。

 以上の内容でしたが、私は住民基本台帳をデータベース化してどこから引っ越してくるかを分析する手法に非常に興味を持ちました。そういえば、千葉市にはどういうところから流入する人口が多いのでしょうか。今度調べてみたいと思います。

 この講演が終了したのち、流山市の松野議員の紹介で、じゃらんリサーチセンター主催の観光振興セミナーにも参加してきました。途中からの参加になってしまいましたが、ここでも問題提起(仮設)の中から様々な分析をし、その結果を発表しており、そこから得られるものは非常に面白いものがありました。

 どうしても政策というのは、感情論や雰囲気に流されがちですが、やはりしっかり課題を把握し、しっかとした仮説を立てそれを科学的に分析、実証することが大事だと改めて感じた次第です。今日得たものを今後の市政運営に役立てたいと思います。