明日の千葉を見つめて
活動日記
いわばエゴとエゴのシーソーゲーム
11/11/03

 今日は、静岡市で若手の政令市の議員の勉強会が行われました。この勉強会は年に3~4回程度、各市の持ち回りで行われております。

 講演は、富士山静岡空港を中心に、小型航空機で地方同士を結ぶ地域航空会社(リージョナルエアライン)の株式会社フジドリームエアラインズ(FDA)の常務をお招きして、「地域空港の活性化とリージョナルエアラインの将来展望」というテーマで行って頂きました。千葉市をはじめ、横浜、川崎、さいたまの首都圏の政令市は羽田や成田という第1種空港のエリア内で第3種空港というのはあんまりピンときませんが、その他の政令市では第3種空港を抱えており、大手が撤退しつつある昨今、地域住民の足の確保という意味では非常に重要な役割を果たしていると言えます。当然、大手が撤退しているということは採算がとりにくい体質は間違いないわけで、今後の行政支援のあり方が問われてくると思います。この辺りは単なる補助金とかではなく、どのような関わり方をしていくべきかもう少し深く議論をしていくべきです。

 さて、この勉強会の最大の意義は意見交換会で、各政令市の問題点などを話し合ういい機会なっています。やはり今回の最大の話題は、11月27日の大阪市長選挙の件でした。

 ちょうど勉強会の共通テーマをどうしようかという話し合いになった時に、北九州市議さんから「特別自治市」についてをテーマにしてはどうかという提案がありました。その前には大阪市議さんから市長選についての報告がありましたので、ちょうど皆が考えるいい機会になるのではないでしょうか。

 「特別自治市」とは、指定都市市長会が指定都市制度に代わる新たな大都市制度として、2010年5月に提案した制度です。簡単に言えば、県から財源や権限を移譲を受け、国直轄の市になるというイメージです。細かい内容については、指定都市市長会のHPを参考にして下さい。

 一方、大阪市長選挙の中心人物である橋下徹前大阪府知事の提唱する「大阪都構想」は、政令指定都市である大阪市・堺市と大阪市周辺の市を廃止して特別区とし、特別区となった旧市の行政機能や財源を「大阪都」に移譲・統合する制度です。

 どちらの目的も「二重行政の解消」でありますが、どっちが権限を握るかという、ミスチルじゃありませんが、謂わばエゴとエゴのシーソーゲームみたいなものになっている嫌いがあります。

 前から感じていたのですが、そもそも橋下前知事が先に大阪市長になっていたら、大阪都構想を掲げたんでしょうか。疑問が残るところです。知事の立場になって考えれば、道府県の健全財政を目指すためには、安定的な財源が必要になってきます。道府県の基幹税は、ご存じの通り、道府県民税と法人事業税で、景気に左右されやすいものになっております。かたや市町村の基幹税は、市町村税と固定資産税で、景気に左右されにくくなっております。たしかに橋下前知事はこれまでかなりの改革を進め、いきなり実質収支の黒字化を達成し、効果を上げていると思っている方も多いかと思いますが、実は地方債の残高は増えており、謂わば見せかけだけの黒字となっているのです。(もちろんかなりの支出を削っているので、体質はだいぶ改善されています。そこは大いに評価できます。)そうなってくると当然、知事としても単なる業務改善程度では、府財政はどうにもならないことに気づくわけで、どこに活路を見出すかと言えば、目の上のタンコブとなっている大阪市の財源に目をつけるのは自明なのかもしれません。

 逆に、政令市から言わせれば、県並みと言われる業務量があるにも関わらず、多少の税源移譲はあるものの、ほとんど業務量に見合っておらず、業務量に見合った財源の移譲を求めたくなるのもわかって頂けると思います。ちなみに北九州市では約800億の県税を納めていますが、教員の給与や補助金などを含めて約400億程度しか県から戻ってきていないとのことでした。当然、大都市の一人勝ちをさせるつもりはないので、水平調整機能として多少負担は仕方ないと思いますが、ここまで不均衡が生じていると改善を要求したくなります。

 どっちの言い分にもそれぞれ理がありますが、やはり地方分権推進論者の私としては、住民がより良い行政サービスを受けるために「近接性の原則・補完性原理」に基づき住民に最も身近な基礎自治体を中心とした改革を進めることが必要と考えており、「特別自治市制度」はその考えに近い形だと思っているので、私は「大阪都構想」を支持することはできません。

 それに、大阪都構想においては特別区ができ、そこにも区長や議会を設置するとなると、結局「二重行政の解消」には繋がってないんじゃないの?という疑問も残っています。

 いずれにしても、道州制なども含めた「これからの分権のかたち」もしっかり議論されていない中で、市長選挙の争点が「大阪都構想」というのは非常に危険です。今回の選挙は、分権というものを考えるいい機会になったとは思っていますが、拙速な判断をせず、まずは現行の制度の中で、二重行政を解消するための議論をしっかりすべきだと思います。