
今日のニュースで躍っていた「事故収束」の言葉。この言葉を聞いた時、「何を言ってんの?まだ収束なんかしてないじゃん」という言葉をついつい吐いてしまいました。
ニュースをよくよく聞けば、原子炉の冷温停止状態が達成できたとして、事故収束に向けた工程表「ステップ2」完了を発表したとのことでした。確かに事故としてはこれ以上被害が拡大しない状況になったため、「事故収束」という言葉を使ったのかもしれません。それなら、「ステップ2完了」だけを使った方がいいのではないでしょうか。いずれにしても、私のように感じた人は多いと思いますので、今後、またこの言葉尻を捕まえた批判が高まることが予想されます。
案の定、各地から批判の声が挙がっており、時事通信社では以下のようなニュースが発信されていました。
◎課題山積、なぜ「収束」=福島原発・冷温停止
東京電力福島第1原発事故で、政府は16日、原子炉が安定した「冷温停止状態」の達成を宣言した。野田佳彦首相は「事故収束に至った」と強調したが、原発内外で未解決の課題が山積しており、「収束」と呼ぶにはほど遠い状態だ。
そもそも「冷温停止状態」の定義自体、事故後の対応の中で考え出されたもので、通常の原子炉が安全に停止したことを示す「冷温停止」とは異なる。炉心溶融(メルトダウン)を起こし、圧力容器の底を突き破って格納容器内に溶け落ちたとされる核燃料の分布状況も分かっておらず、今後も水素濃度や再臨界の兆候などに神経をとがらせながら注水を続ける状況は変わらない。
さらに、放射性物質の放出も依然止まっていない。東電の試算によると、これまで放出された放射性物質による年間放射線量(敷地境界)は約50ミリシーベルト。冷温停止状態で達成したとする年0.1ミリシーベルトは、事故当初の大量放出を除いた新たな放出分の影響であって、事故前の年間放出量と比べても10~20倍とかけ離れている。
未曽有の大事故に至った原因の一つは、原発の安全神話に安住し、地震や津波への対策を怠ったことにある。廃炉へ向けた長期間の作業を前に、無用な楽観論は唱えるべきではない。
◎福島原発冷温停止宣言・識者談話
◇宣言機に現場安全を
丹沢富雄東京都市大特任教授(原子炉物理)の話 事故で炉心が崩れた中での冷却である以上、「冷温停止状態」という表現に違和感は残る。燃料や原子炉内の機器を含め、状況が把握できていない所も残っている。事故収束とは受け止められず、きちんと管理された状態を実現するには長い道のりが待っている。ただ、一歩一歩進んでいるというメッセージを出すことも大切。宣言を契機として、国や東京電力は依然として線量が高い福島第1原発の作業現場で除染などの安全確保にも取り組んでほしい。
◇望むのは正確な情報
館野淳核・エネルギー問題情報センター事務局長の話 こんな宣言に果たして意味があるのか。冷温停止は原子炉が正常に運営できている時の言葉。前提が成り立っておらず、事故収束とはとても言えない。検査中や運転停止中の原発を再稼働するためのステップにしようとしていると勘繰られても仕方ない。汚染水の状況や水素爆発の危険性、再臨界の恐れなどについて技術的に正確な情報を提供することこそ望まれている。事故の教訓を学び、根本的な原因を究明しようとしない限り、かえって不信を招くだけだろう。
◇国民の感覚とずれ
評論家大宅映子さんの話 政府や東京電力、メディアが原発事故について何か言っても誰も信用しなくなっており、野田首相が冷温停止状態と宣言しても、具体的なデータが示されなければ納得できない。冷温停止状態だったとしても火事で火が消えた場合と違い、たまった水やがれきの処理、除染など山のような問題が残っている。誰が知恵を付けたか分からないが、事故収束と言ったのは国民の感覚からかなりずれている。収束は政府の願望に過ぎず、なぜこのような言葉を使ったか理解できない。(了)
だいたい皆さん、同じような反応ですね。
我々政治家は常に発言に責任が生ずるということを認識していなければなりません。私も若干お調子者でおしゃべりなところがあるので、こういうのを他山の石として自分も律しないといけないなぁと感じた次第です。
そのようなことを思っていたら、今度は我が自民党の石原伸晃幹事長が訪米中に総裁選への出馬に意欲を示したことについて、谷垣総裁が不快感を示しているようなニュースを目にしました。
私はこのニュースを聞いて、石原幹事長の言葉の軽さに若干がっかりしています。自分の周辺に総裁選への出馬意向を示すのとマスコミに発するのは全く違っており、幹事長としては谷垣総裁を支えるのが第一の責務であるわけですから、出馬の意向を聞かれても「今は支えるだけです」とコメントするのが当然であって踏み込んだ話はしない方がいいと思います。実際、私はこの一言だけで一気に石原氏を支持する気がなくなりました。なぜなら、こんなにも発言が軽いと総裁になっても同様なことを繰り返す恐れがあるからです。恐らくこのような考えを持つ自民党支持者は多いのではないでしょうか。もし出馬の意向を示すなら、幹事長を辞してから発信するのが筋であると思います。これまでも石原幹事長の行動や発言にはちょっと軽はずみなものが多いのではないかと思っていましたが、それでも色んな効果を狙っての布石だと思って自分を納得させてきました。しかし、今回はあんまり前向きに受け止めようにもなかなかうまく昇華できません。是非、実際に出馬するのであれば、この辺りのことについて今後気をつけて頂きたいと思います。(ここで書いても読まないとは思うけど。)
翻って自分はどうかと言えば、私も若干議長として立場をわきまえない発言が多いので、以後気をつけたいと思います。
いずれにしても、言葉は本当に難しいですね。ブログやツイッターも難しいです。ただ我々は発信することも大事な仕事ですので、与える影響を踏まえながら、わかりやすく誤解を招かない表現を意識しながら、今後も取り組んでいきたいと思います。

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