明日の千葉を見つめて
活動日記
美術鑑賞ノススメ
11/12/19

 今日は役所で予定されていた業務が終わってから、忘年会の出席まで少し時間があったので、文化振興課長からお奨めがあった企画展「瀧口修造とマルセル・デュシャン」を鑑賞するため、千葉市美術館に寄りました。

 皆さんはマルセル・デュシャンをご存知でしょうか?実は私はこの企画展が行われるまで知りませんでした。恥ずかしながら、私は美術・芸術に関する知識は皆無でして、結構美術館に行く機会は多いのですが、ほぼ直感だけで勝手に楽しんでいる感じです。もう少し知識があると面白いのかもしれません。そういう意味では今日は係長による解説付きだったので、非常に面白さが増しました。

 一般的に現代美術、コンテンポラリーアートの解釈は難しいと言われます。このデュシャンも例外ではなく、非常に難しい存在です。私が作品を見てふと感じた率直な感想は、「この人は感性で作っているのではなく、頭で計算して作っているな」というものです。何か見る側を試しているようなそんな気がしました。しかし、「泉」や「自転車の車輪」といったレディメイドと呼ばれる作品群やモナリザに髭を書いた「L.H.O.O.Q.(※)」、さらに普通のモナリザを「髭を剃ったL.H.O.O.Q.」という作品にしてしまうセンスは、単純に「カッコイイ」とか「おしゃれ」だなぁというか、「粋」な感じがしましたし、「エロス」と「スケベ」、「おしゃれ」と「だじゃれ」は紙一重だなぁと感じた次第です。この辺の自由な感じは、酒井抱一に通じるものがあります。

※L.H.O.O.Q.はフランス語で続けて読むと、「 Elle a chaud au cul(エラショオキュー)」と同じ発音になり、意味は「彼女のお尻は熱い」となるらしいです。

 

 一方、瀧口修造の作品にはすごくマジメな感じを受けました。彼のロトデッサンやデカルコマニーの作品を見ているとマジメにシュルレアリスムを追究しちゃったなぁという感じです。

 この他にもデュシャンや瀧口修造とゆかりのある作家の作品が展示されており、彼らの交流やデュシャンの影響力がいかに大きいか感じることができました。

 今回は作品展というより博物館的な要素が強く、資料や写真が多く、特に、第2部では瀧口とデュシャンの具体的な交流やつながりを、二人の作品や写真・書簡等の資料によって編年順に跡づけているので、しっかりに鑑賞するには時間がかかると思います。私自身も時間があまりなかったので、じっくり鑑賞することはできませんでしたが、今回の企画展はいつものものとは違い、当美術館のスタッフの幅の広さを感じることができました。

 残念ながら得意の日本画や浮世絵の企画展ほど来館者数は伸びてないようですが、非常に面白かったので、是非多くの方に見て頂きたいと思います。

 来年の1月29日(日)までやっており、今回はDIC川村記念美術館とも提携し、相互割引や土日の無料往復バスも出しております。

 年末年始はお忙しいかもしれませんが、一服の清涼剤として美術鑑賞はいかがでしょうか。

 追記:美術館の帰りに副館長から新聞の切り抜きを頂きました。12月14日(水)の朝日新聞(夕刊)の美術欄で「回顧2011」において、3人の美術専門家が「私の3点」という中に、千葉市美術館の企画展がそれぞれランクインしていたものです。副館長は「宝くじが当たったようなものだ」と非常に喜んでおりましたが、これもひとえに館長や学芸員をはじめスタッフの努力の賜物だと思います。

 このように本市の美術館は非常に高い評価を頂いている価値のある施設ですから、観光拠点としてより回遊性を高める努力をするとともに、市民にもより多く足を運んでいただけるような工夫をしないといけないと思います。

 

 ちなみに選ばれていたのは、以下の通りです。(敬称略)

・北澤憲昭(美術評論家)

  ①「浅川伯教・巧兄弟の心と眼-朝鮮時代の美」(千葉市美術館)

  ②「感じる服 考える服:東京ファッションの現在形」(東京オペラシティアートギャラリー)

  ③「ぬぐ絵画-日本のヌード1880-1945」(東京国立近代美術館)

・高階秀爾(美術史家・美術評論家)

  ①「ヨコハマトリエンナーレ2011」(横浜美術館など)

  ②「酒井抱一と江戸琳派の全貌」(千葉市美術館)

  ③東日本大震災の災害復興支援活動

・山下裕二(美術史家)

  ①「石子順造的世界」(府中市美術館)

  ②「名和晃平-シンセシス」(東京都現代美術館)

  ③「生誕130年 橋口五葉展」(千葉市美術館)