明日の千葉を見つめて
活動日記
コンプライアンスとは
12/01/18

 今日は午前中に来客対応し、お昼は内外情勢調査会千葉支部の1月度の月例会に参加してきました。午後は、何件か打ち合わせをこなし、夕方からは千葉市建設業協会と商工会議所青年部の新年会に参加しました。


 ということで、今日は内外情勢調査会の月例会について報告したいと思います。
 本日の講師は、名城大学総合研究所教授、同大コンプライアンス研究センターセンター長の郷原信郎先生で、「法令順守からルールの創造へ」と題してご講演頂きました。
 郷原先生は、九州電力の「やらせメール」事件の第三者委員会の委員長をお勤めで、冒頭から、今回の九電の対応について「経営トップの対応が出鱈目!」「辞任カードの無駄遣い!」「反省の言葉もないため、信頼回復に繋がらない!」とバッサリと切って捨てていました。

 そして、オリンポスの問題にも触れられ、日本が抱える監査法人の問題点についても指摘されました。監査法人は、基本的に企業からお金をもらい、選ぶのも企業の執行部であるわけだから、当然、指摘もしにくい環境にあると仰れ、これはまさに地方自治体の外部監査にも同じことが言えるのではないかと思います。ただ違うのは、議会で議決を得なければならないところであります。これである程度の客観性は担保できるものの、郷原先生からアメリカの企業は、社外取締役が監査法人に委託をしているとの話を聞いて、自治体の外部監査も選出の段階から議会が行うのというのも面白いかもしれないと思った次第です。

 話を戻して、オリンポスの事件は、この監査法人の問題といった単純なことではなく、今後の企業文化に影響を与える可能性があると郷原氏は指摘されました。それは、オリンポスが株主に不利益を与えないように損失隠しをしてきて徐々にその損失を減らしつつあり、ある意味非常に日本的な企業文化の基づいた違法行為であるからです。それをアメリカ的な考え方で断罪しているというのが今の現状であると仰っていました。

 違法行為には2つの類型があり、いわゆるアメリカ型の違法行為、日本型の違法行為で、前者を「虫」、後者を「カビ」に例え、説明していました。つまり、アメリカ型は、個人的な利益が目的の単発型のものであり、殺虫剤を巻くように個人にペナルティを科す法整備がされている一方、日本型は、組織の利益が目的の、ポストに随伴する継続的、恒常的なものとなっており、カビを除去するためには汚れや湿気を防がなければならないように、原因となっている構造的な要因を究明し、除去しなけれなりません。

 この類型を理解せずに、法令遵守だけ徹底しすぎると不二家のような事例になるという話もされました。不二家で賞味期限切れの卵を使う事件があったと思いますが、この問題は外部のコンサルタントが雪印の二の舞になるということで、遵守徹底の指示を出し、マスコミにも取り上げられたのですが、なぜこのような事態になったのか追究してないため、企業イメージだけが下がってしまうという、表面的な問題だけ捉え、法令遵守に偏り過ぎた典型的な失敗例になったとのことです。

 これまで、法令遵守というと上意下達ものでありましたが、あらゆる環境の変化に対応するためには、現場とのコンセンサスを図り、現場のルールを横に広げていく必要があり、ルールが社会に合わないならルールを変えていく、それが「ルールの創造」であると最後に締められました。

 なんだか取り留めもないメモというか、報告になってしまいましたが、郷原先生の言いたいことは「環境変化の不適応が組織の不祥事につながっていることから、コンプライアンスとは単なる法令遵守だけではなく、社会的な要請へ適応をはかり、新たなルールを創造していくような柔軟性がないとダメ」ということではないかと思います。

 ある意味、これはダーウィンの進化論と同じで、「強いものが生き残るのではない。環境の変化に対応できたものだけが生き残れるのだ」ということではないでしょうか。そんなことを感じた講演でした。