明日の千葉を見つめて
活動日記
指定都市議長会議in名古屋
12/01/26

 今日は名古屋で指定都市の議長会議が開催されました。本来なら宿泊予定でだったのですが、明日に平成24年度当初予算(案)に係る意見交換が開催されるため、日帰りの強行軍となりました。

 今回の議題は、継続審査となっている「大都市財政の現状と対策について」と、4月から政令指定都市になる熊本市の当議長会への加盟がメインの協議内容です。

 冒頭で、今年度から会長に就任した名古屋市の中村議長から挨拶を賜り、前会長の静岡市の剣持議長から挨拶を賜りました。来賓挨拶では、名古屋市の河村市長がお越しなり、将軍吉宗時代に四公六民から五公五民へ増税した時に、反対したのは尾張であると、反逆の地としての名古屋は歴史的なものであると持論を展開し、さらには熱田神宮に草薙剣があることから、最も歴史が古い大都市は名古屋といったようなまさに名古屋愛に満ち溢れた挨拶内容については、政策的(性格的?)には合いいれない市長でありますが、大いに参考にすべきと感じた次第です。

 まず、議題の「大都市財政の現状と対策について」は、名古屋市財政状況について名古屋市財政局長四谷氏から資料に沿って説明を受けました。一通りの説明を受けたあと、この問題については引き続き研究していくことが決定しました。

 続いて、熊本市の当議長会への加入については、特に意見もなく、満場一致で承認されました。

 その後は、指定都市議長会の活動強化について浜松市の議会事務局長から資料に基づき説明を受けました。

 最後に、その他として、横浜市の佐藤議長から「新たな大都市制度である「特別自治市」創設に関する要望」を国へ提出したいので賛同して欲しい旨の発言があり、議題として取り上げられました。この特別自治市創設の要望については、すでに昨年7月に提出した「平成24年度国の施策及び予算に関する提案(通称:白本)」で要望済みではありますが、橋下市長が誕生し、大阪都構想への一方的な流れを食い止めるために敢えて提案したものと理解しています。

 各市から意見が出され、大阪市からは、「大阪市の状況を察して欲しい。(大阪都構想は)十分な制度だと思っていない。ただ大胆な改革は必要。昨年12月に橋下市長が誕生したばかりで、現在、府、大阪市、堺市の三者による協議会が設置が準備されている。その場で今後の大都市制度について協議していくことになっているので、だから連名で出すことはできない。」との意見。
 浜松市、神戸市からは横浜市に賛同の立場で意見。両市とも県市間で二重行政解消に向けて良好な関係を維持して協議しているとのこと。
 札幌市からは全会一致はあり得ないから賛同者だけでいいのではないかとの意見。

 新潟市からは「新潟州構想を立ち上げているので、特別自治市を含む多様なという表現なら賛同できる」との意見。

 岡山市からは「(特別自治市は)政令市(全体)として取り組んできているという認識。新しい状況になったのでなくなったということなのか。引き続き政令市として取り組むべき。」という意見もあり、収拾がつかなくなりそうだったので、横浜市の佐藤議長が賛同者だけを早急に取りまとめる方向で決着を見ました。
 最後に、仙台市から御礼があり、その中で、県市の権限が曖昧で県が行ったため混乱が生じた事例もあり、大都市制度も大切だがまずは権限の見直しを図っていくべきだという意見や、被災地すべてがバラバラな選挙になってしまったため、投票率が低くなってしまったことから、被災地統一選挙を行うべきだという意見も出されました。

 会議は以上で終了し、その後、名古屋大学教授の小野耕二氏を講師にお招きし、「地方議会のあり方と改革への期待」という演題で勉強会を行いました。

 小野教授は、さすがに政治学者らしい切り口で、政令指定都市とはいえ大小様々なので一括りにした政策は語りにくいことから抽象論で進めていくと明言した通り、具体的な内容ではありませんでしたが、非常に示唆に富んだいい講演でありました。

 
 まず、地方政治の現状について、
首相が年中行事として毎年九月交代されることに象徴されるように、混迷状況下では次の方向性が見出せないと述べ、地域で新興政党が立ち上がることについては私は歓迎する立場であるものの、従来のメリットまで失われる危険性があると指摘。ご当地の河村市長の手法は極めて伝統的な手法で、内部対立が起きた場合は外に敵を求めろという鉄則を守っているとの見解を示しました。

 次に、前提として、民主主義とは何かという小野教授の見解は、民主主義は正解を断念するものであり、常に暫定的で、常に変更可能なのものであると。逆にいえば誰も間違っているということも言えないものであるということです。

 続いて、ミニ政治学の講義として、政治とは社会における統一的決定の作成とその履行の過程であり、国民には、選挙で意思表示するなど、拒否する権限があると述べました。これを「政治の循環論」の中で説明しています。

 政策のサイクル

A争点の発見→B課題の設定→C政策の立案(+選択基準の明確化)D決定差の作成→E結果の評価

利益集団-政党→政治的意思決定中枢=さまざまな政治勢力の間での妥協点の成立→国民(有権者)=世論を形成

 このサイクルの中で「明確な目標を立て、その支持を拡大する」機能が果たされている。この二つが政治の二機能=目標定立(有効性・効率性)と支持調達(代表性・正統性)である。

 この二機能は、明確な目標を立てると対立を生み、強制の契機が生じたり、対立が顕在化すると支持調達が難しくなるという相関関係を持っているそうです。
 目標定立重視の政治制度はいやゆる大統領制で少数派の不満が高まる嫌いがあり、支持調達重視の政治制度はいやゆる議院内閣制で、決定コストが増大する嫌いがありますが、どちらも民主主義の類型であるので、どちらか一方を非民主主義とは言えないとのことです。ただ、二機能を結びつけるのは難しいという。

 また、リーダーシップにもニ類型があり、一般的に言われているのがP機能(performance)だけがリーダーシップと言われいますが、M機能(maintenance)もその一つで、いわゆる調整型リーダーシップのことを指しています。このことは、小集団分析の中で社会学ではよく論ぜられるもので、両方を有している集団が機能すると言われています。

 これらの現状分析と理論の結合から、地方議会に期待することは、「議決機関」として市議会と、市民と市政の媒介する「政治的アクター」として議員であり、公的決定を担う専門家集団として、誇りと責任を持って欲しい。またそれに相応しい体制と処遇が必要だと述べられました。
 そのためには、決定過程を効率化すればするほど反対意見が顕在化するので、一定の知見に基づく討論を踏まえた有効で効率的な決定作成を市民に見える形で行うべきであり、今後の改革の方向性として、認知的共同体(Epistemic Community)=他党であっても人間関係を構築し市政の難問に挑むことが大切であると提言されました。

 まとめとして、市民の問題解決能力の低下が政治への無理な要求が増える→それに応えられない政治への不信感が高まることから、主権者教育が課題であると主張され、政治の世界が全てできるわけではないという認識の下、どうしても政治的な決着をしないといけない場合は、専門的な知見を以て対処する(つまり専門家としての準備をしておかなければならない)必要性を指摘してます。
 「有権者が変わると同時に政治家も変わらなければならない。」「多数派も少数派もお互いの信頼関係を築き、理性的に行動をして欲しい。」という言葉で〆られました。

 今回の話を聞いて、我が市議会の合意形成の方法はある意味理想的ではないかと感じた次第です。