明日の千葉を見つめて
活動日記
加曽利貝塚博物館の今後の課題
12/06/16

 今日は、千葉市立加曽利貝塚博物館友の会の総会がありました。
 昨年のエントリでも書きましたが、今年も会員の減少傾向に歯止めがかからないようです。現会員数は、63名ですが徐々に減りつつあるため、予算も60名分でしか計上していないのが実状です。
 この友の会は、元々はこの加曽利貝塚を守るために作られた「守る会」から発展して改組された純然たる市民団体です。そのため、他の博物館や美術館等の一般的な友の会と違って、入館料の会員割引や関連書籍の割引購入など、特に得られるメリットが少なく、事務局も独自で、会費収入以外の収入が友の会で作成したパンフレットや絵葉書などの売り上げしかないことから、運営環境も非常に危うい状態にあります。また現会員の高齢化も益々進んでおり、このまま手を拱いていては、いずれジリ貧になってしまいます。(昨年度は夢まるふぁんどからの支援金があったので、予算的には余裕がありましたが。)
 今回は、その危機感から事務局からホームページの充実や会員証を発行し、提示すれば販売委託された書籍のみを割り引きできる仕組みなど様々な新規提案がありました。また、博物館のホームページにも友の会の行っている講演会も掲載して欲しいといった要望や縄文の森構想の進展も館長へ提案されました。
 
 一方で、加曽利貝塚博物館そのものも多くの課題がたくさんあります。
 一つ目は、老朽化(耐震化)の問題です。博物館は昭和41年11月の開館ですから、すでに築後45年以上が経過しております。平成7年時の耐震診断ではIs値が0.33だったことから、耐震補強が必要なのは明らかで、昨年の震災においても、展示場上部のモルタルが剥落し、約4か月間の部分休館を余儀なくされるなど、博物館の老朽化(耐震化)対策は待ったなしの状態です。
 加えて、北貝塚貝層断面観覧施設、住居群観覧施設も昭和43年竣工ですから同様に老朽化が進んでおり、さらに元々が掘ったものをそのまま展示してあるので、画期的な施設である半面、湿気が多いのでメンテナンスが大変なので、この改修もどのように進めていくか頭を悩ますところです。
 ちなみに、南貝塚貝層断面観覧施設は平成6年竣工ですし、切り取った断面を張り付ける方式を採っているので、メンテは楽ですが、実は張り付けた接着剤がいつまでもつのかはよくわかっておらず、これも今後の課題になるかもしれません。
 二つ目は、博物館利用者の減少傾向です。昭和57年度の7万3千人をピークに漸次減少傾向にあり、最近10年間は1万5千人前後で推移しています。1日あたり50名程度しか利用者がいないのです。この主な要因は、小中学生の団体利用が減っていることにあります。少子化傾向にあるので、減少するのは致し方ありませんが、以前に比べると新たな施設もたくさんできており、バスが停めらるような駐車スペースもなく、食事もとれないような施設で、しかも料金も若干の割引だけという状況ですと、どうしても他の施設に流れてしまい、近隣の小中学生ぐらいしか団体利用をして頂けない状況になってしまいます。
 三つ目は、人材の確保です。ここ最近、考古学の専門性をもった専門職の採用をしておらず、職員構成も50代が多くを占めていることから、10年もすると専門職は3名程度になってしまいます。専門職員は、戦力になるまで数年間の養成期間が必要であることから、戦略的・計画的な人材確保策を採ることが喫緊の課題といえます。

 このような課題を解決するためには、もちろん予算要求も大事ですが、今回の特別史跡に向けた調査で注目が集まりつつあるので、もっと加曽利貝塚の露出を上げて、市民全体を盛り上がりを醸成すべきであります。
 例えば、千葉市を「貝塚まち・ちば」としてのキャンペーンを張って、JRやモノレールなどの駅とか道路とかに縄文土器やバナー広告を設置したり、副読本や情報誌に掲載したり、やれることはたくさんあると思います。
 また、お金がかからないところで、加曽利貝塚博物館友の会をはじめ、案内ボランティアや土器づくりの会など加曽利貝塚を拠点に活動してる市民団体と包括協定を締結し、相互にメリットがあるような形で貝塚を盛り上げる方策を採っていけば、各団体も活気づき、いい流れができるのではないかと思います。これによって、友の会の行事が博物館のホームページに乗ったりするなど、メリットも出てくるのではないでしょうか。
 さらに、千葉市観光協会では、昨年の10月2日に「2011秋 駅からハイキング」と題して、モノレールに乗って加曽利貝塚をはじめモノレール沿線の主要ポイントを巡る企画があり、県内外より947名の参加があったようですから、このような企画を引き続き、行っていただいたり、友の会が行っている貝塚巡りの旅なども広く募れば、もっと参加者が増えるのではないかと思います。

 いずれにしてましても、この特別史跡に向けた調査に合わせて、もっと貝塚が注目され、市民全体の盛り上がりが見せられるよう、これからも頑張りたいと思います。