明日の千葉を見つめて
活動日記
ケソン市視察報告
14/02/11

 昨日で寄贈式典は終わりましたので、今日はケソン市内の視察を行いました。
 前回訪れた際には、ソルト・パヤタスの取組みについて調査しましたが、今回は、国立腎臓移植研究所 (National Kidney and Transplant Institute 以下、NKTI)とUPアヤラランドテクノハブ (UP- Ayala Techno Hub)を視察して参りました。

 前者のNKTIは、マルコス大統領夫人によって設立された国立の研究所で、腎臓移植の研究と臨床において大きな成果をあげている、フィリピンの移植医療の中心的施設であります。フィリピンの移植技術は、技術水準が突出して高く、最先端レベルにあるということで、無理を言って訪問調査をさせて頂きました。
 我々を出迎えてくれたのは、成人腎臓学の責任者であるダニラン(Romina A. Danguilan)博士です。まずは、紹介ビデオを見せて頂きましたが、全部英語で同時通訳があったわけではないので、聞き取れる範囲だと、この施設は、国立と言っても直営ではなく、医療専門の第三セクターとして、22年前に開設されました。この研究所の三つのミッションは、主に腎臓と関連のある病気に悩まされている全てのフィリピン人の幸福を確保するための「奉仕」「養成」「研究」であります。
 立地は、ケソン市のほぼ中心に位置し、交通の便も良く、58,899㎡という広さを誇るため、緑地に囲まれ静寂さも併せもっています。建物は、本館、別館、透析センターの3つからからなり、それぞれ連結されています。
 ビデオでは、やたらにPPP(Public Private Partnership)が強調されており、補足説明でもPPPから業績アップしたとのことで、現在は、イギリスとドイツの会社と提携して臨床などを行っているようです。第三セクターのメリットととして、利益が出ても国に補助金を返す必要がなく、研究に回せることを挙げていました。
 アジアで最初に腎臓と膵臓の移植を行うなど、常に先端の取組みを心がけており、新館に新しい機械を設置することによってさらにオペレーション効率がアップしているそうです。
 移植の費用は約2万ドルで、傷口が小さいため、4日の入院で済みます。透析患者は、30台の機械を4回転させることで1日120人の患者を受け入れています。
 日本人の研修生はいませんが、インドやマレーシアから受け入れているようです。また、ビデオに出ていたオナ先生は現在、政府において医療系の中枢にいるようです。
 その他、ベッドは300床、国からの補助金は120百万ペソ・・・などなど、基本的なことを聴取した後、研究所を案内しています。
 最初に受付を紹介して頂きましたが、検査結果は、遠くから来ている患者もいるので、電子メールで送っているとのことで、非常に合理的だと感心しました。
 次に泌尿器科(Urology)の病棟に行き、プロディガリダリ先生(スペルは不明)から新たに整備しているAMBULATORY&ENDOSCOPY CENTERをご案内頂きました。これまでの機械では6人までしか患者を診れなかったものが、20人まで診れるようになるなど、非常にオペレーション効率が上がっていることを強調されていました。ここで通訳の人とラパロスクが腹を切る施術、エンドロスコピーは口からの手術というの一生懸命勉強していました。医療用語の通訳は難しいものです。
 工事中の新しい手術室も見せてもらい、ドイツ製の機器でカメラで遠くの患者の家族にもその様子を見せることができるとのことでした。
 次に、病室を案内してもらい、誰も使っていなかった個室を見せてもらいました。料金は1日6500ペソとフィリピンとしては割高に感じました。
 クリスチャン向けのチャペルとムスリム向けの礼拝堂が院内にあったことは非常に印象的でした。
 もう一度、最初の部屋に案内され、メディカルツーリズム向けのPRビデオを鑑賞して、NKTIの視察を終えました。
 今回の視察で感じたことは、最先端の医療研究機関としての誇りと国立として全てのフィリピン人のためにという使命感を強く感じました。また官民の連携が進んでおり、日本より目的志向で合理性を感じた次第です。
 本市も放医研といった先端医療の研究機関がありますので、ケソンの取組みを参考にしながら、どういった連携ができるか模索していきたいと思います。
 
 NKTIの視察を終え、UPアヤラランドテクノハブに向かいました。TecPortalというビルに案内され、担当者二人(名刺交換ができなかったので、名前もわからず)からパワポを使って、施設の概要を説明して頂きました。ちょっと残念だったのが、手許に資料もなく、パワポのプレゼンテーションも全て英語で進められてしまったため、ここも聞き取れる範囲の報告になってしまいます。
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 このテクノハブは、UP、フィリピン大学  (University of the Philippines) と開発業者のアヤラランドが共同で開発した情報技術産業拠点で、IBMなど世界的な企業が立地しています。コモンウェルスアベニュー沿いの、37.5ヘクタールという巨大な面積を誇るUPの土地を50年間の賃貸借契約で借り、リテールプラザといった商用施設を含め、様々な建物で構成されています。
 基本的にはBPO、特にコールセンター業務がメインとなっており、それらの業務を支援できるような施設となっており、公園やオープンスペースを設けることによって低密度の開発エリアとなっています。
 また、新たにフィリピンに進出する中小企業や起業家向けのスモールオフィスも用意されていて、現在は空きが2つしかないほど、人気となっています。さらに、新たな建物も2棟建造中で、借り手もすでに決まっているそうです。
 ケソン市にとっては、市内の雇用が増え、非常にありがたい施設となっているとのことでした。
 これらの説明、質疑応答後、施設内を見学して、テクノハブの視察を終えました。
 本市にも東大や明大などの有名大学が広大な土地を有しておりますが、その土地の有効活用方法として、大いに参考になったところです。
 
 夜は、再度、今回の参加者全員で集まり懇親を深めました。