明日の千葉を見つめて
議会レポート
平成18年度第3回定例会(市議会レポート29号)


議員定数の削減について~若葉区は10から9になります~
 今議会の最終日に我が会派の主導で提案した「千葉市議会議員定数及び各選挙区選出議員数に関する条例の一部改正について」が賛成多数で可決成立しました。これによって、議員定数が現行の56から54に削減されることになり、来年4月8日執行予定の市議会議員選挙から適用されることになります。
 そこで、今回成立した条例改正について、これまでの流れや考え方等について、簡単に説明させて頂きたいと存じます。
 現行の定数56は、昭和54年の選挙からこれまでまったく変わっておらず、この間、昭和55年の国勢調査で人口が70万を突破し、法定数は60になったことはありましたが、その際には昭和57年6月議会で4減の条例が採択され、結局56を維持しました。
 そして、平成15年の地方自治法の改正によって再び法定数が56となりましたが、昨年行われた国勢調査の結果、本市の人口が90万を超えたことにより、法定数は8増の64になり、議員定数の見直しを検討する必要が出てきたのです。
 この定数見直しに関する協議は昨秋から会派幹事長会議で行われ、我が会派でも法定上限数まで増やしたケースや政令市平均に会わせたケースなど、各種データを集め、様々なケースを想定し、検証してきました。
 その結果、今回成立した「1増3減案」を提案させて頂いたのであります。この案は、中央区と花見川区の人口が逆転したこと、若葉区と稲毛区の人口がここ10年間ほぼ横ばいであり、相対的に見ると減っていること、緑区の人口が予想を上回る人口伸び率を示したことから若葉・稲毛・花見川区をそれぞれ1減とし、緑区を1増とする最も現実的な案であると考えます。実は、一票格差是正だけを焦点にしますと、緑区2増、美浜区1増の「3増3減案」が最も格差が少なくなるのですが、現在の本市の財政状況、今後の人口推計、さらに同規模の政令市(法定数64の政令市)の議員一人当たりの人口平均が約1万7千人強となっていることを総合的に勘案し、今回の案が最も適当であると判断したのであります。
 今回の改正により、この若葉区は定数10から9への削減になり、大変厳しい選挙が予想されます。しかしながら、市財政の改善、議会の活性化、更なる市政発展の為には、まずは議員自ら厳しい環境に身を置く必要があると思います。そして、環境が厳しければ厳しいほど、議員の質の向上が図られていくのではないでしょうか。そういう意味においても、今回の議員定数の削減は時機を得たものであると考えます。
 私自身、これを機に更に議員としての質を高めていきたいと思いますので、尚一層のご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

平成18年度第3回定例会より 

●今議会の概要
 平成18年度第3回定例会は、9月7日に召集され、9月28日に閉会しました。
 今定例会に市長から提案された議案件数は、全部で52件あり、その内訳は、『補正予算案』が6件、『専決処分』が1件、『条例案』が12件、『一般議案』が8件、『決算の認定』が20件となっており、最終日には人事案件が5件上程されました。その他、議員提案の発議4件(条例案2件・意見書2件)、市民からの請願4件(新規2件)、陳情4件(継続1件・新規3件)を審議いたしました。
 その結果、議案155号「工事請負契約について(市民ゴルフ場(仮称)整備工事)」を除く、市長提出のすべての議案については全員一致もしくは賛成多数で可決、議員発議については発議8号が賛成少数で否決、発議11号及び意見書2件が賛成多数で可決、請願は1件が採択送付、3件が不採択、陳情は継続審査中だった案件が不採択、新規の1件が採択、2件が継続審議となりました。

●市民ゴルフ場議案の否決について
 今回の報告では、否決された議案155号について簡単に説明したいと思います。
 この議案は、下田最終処分場の跡地利用として建設が促進されてきた市民ゴルフ場(仮称)のコース整備工事の契約の承認(3億円以上の工事契約は議会の承認が必要)についてだったのですが、落札した県外業者と地元業者で構成する共同企業体(JV)の地元業者が都市計画法違反していたため、全会一致で否決されました。当初議案が否決されるのは32年振り、契約議案しては初めてのことで正に異例のことだと言えます。
 事の発端は、我が会派の議案研究においてであります。今から4年ほど前に当該業者の都市計画法違反を指摘したところ、当局からしっかり指導するとの答弁を頂いておりました。そこで、今回、当該業者が落札業者となっていたので、これまでの指導状況を確認したところ、一度呼び出し通知を出した以外に指導した形跡が全くないとのことでした。この件について、我が会派では市の真意を聞くため、環境建設委員会において再度確認したところ、当局があっさりと不作為を認めてしまったので、当局が違反を放置し続けた「杜撰な対応」と、契約課が法令違反を把握していなかったという「縦割り行政の弊害」を理由に、全会派が否決にまわったというのが今回の経緯です。今回の否決で、再入札となり、市民ゴルフ場の整備は大幅に遅れることになりますが、今回の件は市側に過失があることをしっかりと認識して頂き、今後は適切な措置を講じて頂きたいと思います。

●調整区域の規制緩和について
 議案147号は、市街化調整区域における開発行為等の許可の基準を定めるため、条例を制定するものです。あくまでも一定の条件下での「規制緩和」であって、調整区域が解除されたわけでないということをご理解願います。
 内容としては、市街化調整区域において、駅周辺の土地を有効利用し、コンパクトな市街地を形成するため、鉄道及び都市モノレールの駅から1kmの範囲内で、周辺に40以上の建築物が連たんするとともに、道路に接し、さらに排水施設が適当に配置されている土地における住宅、兼用住宅又は共同住宅の建築(建築物の敷地面積の最低限度は、165㎡)を目的とする開発行為及び建築行為を新たに許可の対象とするものです。
 今後は良好な環境が維持されるよう、乱開発等に注意を払いたいと存じます。

●その他の議案について
 その他、可決された主な議案につきまして、簡単に説明致します。
 132号は、平成18年度一般会計補正予算で、総額162億4,200万円を国庫支出金、市債等を財源として追加するもので、これによって一般会計の総額は、3,485億4,200万円となりました。
 133~137号までの5議案は、いずれも特別会計の補正予算で、総額300億4,500万円を追加するもので、これによって特別会計の総額は、3,695億100万円となりました。
 138号は、専決処分を承認するもので、139~150号までの12議案は、いずれも条例の制定改正についてであります。
 151~154号までの4議案は、若葉区桜木町及び小倉町並びに花見川区柏井町の一部の区域を、住居表示区域とするとともに、町の区域及び名称を変更するものであります。
156号は、工事請負契約を締結するもので、157号は、工事請負契約について完成期限を変更するもので、158号は、市道路線を認定(130路線)及び廃止(40路線)するものです。
 159~178号までの20議案は、いずれも平成17年度決算の認定についてであります。
 平成17年度の一般会計決算額は、歳入3,605億2,900万円、歳出3,555億3,200万円となり、実質収支は24億5,700万円を確保しました。
 また、特別会計16会計の決算額は、歳入2,772億7,200万円、歳出2,771億6,500万円となりました。
 さらに、企業会計3会計の決算額は、歳入662億7,300万円、歳出767億1,000万円となり、この収支不足分については、損益勘定留保資金等で対応したとのことです。
  さらに最終日に追加された179~183号は、すべて人事案件で、千葉市教育委員会委員の任命、千葉市人事委員会委員の選任、3名の人権擁護委員の推薦に同意しました。
 また、9月27日に一般質問を致しましたので、裏面に簡単な質問と答弁を記載します。

一般質問

1 ニューヨーク市と比較した本市の都市活性化施策について
 2 日本版SОX法の対応について
 3 幼保一元化について
 4 地域防災力の強化について
 5 緑地の保全について
 6 若葉区の道路問題について

 

主な質問と答弁

●『ニューヨーク市と比較した本市の都市活性化施策について』
 BIDとは、指定地域の不動産所有者から負担金を行政の徴税システムを活用して徴収し、BID法人を通じて同地域に再投入して活性化を図る制度で、地区内の清掃、ゴミ収集、警備員の配置、地区内の飾り付け、イベントの開催、さらには地区独自のマーケティングや地区内無料循環バスなど、自治体が通常行う範囲を超えるサービスが提供されております。
 ニューヨーク市内では、観光客が多く集まるタイムズスクエア周辺やワールドトレードセンターがあったローワーマンハッタン地区をはじめ、46のBIDが存在しており、それぞれの地域が自らの手法で地区の活性化を行っております。
 このように、ニューヨーク市においてBIDは大きな役割を果たしており、その背景には受益者である地区内の不動産所有者や商業者が自らの地区を自らの責任で発展させていくという「地域主体のまちづくり」と、それを支えるための「行政のサポート」があり、まさに「官民のパートナーシップ」が確立されているのであります。
 また、BIDと同様に「官民のパートナーシップ」に基づくまちづくりの手法にTIFというものがあります。
 TIFとは、重点的に再開発を行う地区を指定し、そこでの税金の増収分を基盤整備の財源として還元しようする制度で、主として当該区域における開発に伴う将来の固定資産税の増加税収を償還財源として債券を発行し、得られた資金で用地買収、商業施設等の建設を促進するための都市基盤整備や都市環境整備を行う手法であります。
 このように、ニューヨークでは、限られた財源の中で、知恵を絞り、民間の活力を利用しながら、都市再活性化に努めており、本市にもおいても、これらの例を参考にし、「官民のパートナーシップ」を推し進めていくべきであります。
 そこで、BID、TIFという手法を導入することについて本市の見解をお伺い致します。
☆答弁(都市局長)
 BID、TIFなどは、いずれもアメリカの多くの州で導入され、成果を上げているまちづくりの施策であり、また、市民・企業・行政などの協働による地域活性化の手法として、注目すべき施策でありますが、現在のアメリカと日本とでは、法体系をはじめ税財政制度や景気の動向、国民意識など様々な点で状況が異なっており、そのまま導入することは難しいものと考えます。
 しかしながら、その発想や視点は、パートナーシップによるまちづくりを進めていく上では大切であると考えますので、調査・研究は行ってみたいと思います。

●『日本版SOX法の対応について』
 平成18年6月7日に、「証券取引法等の一部を改正する法律」及び「証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」が成立しました。
 これは、いわゆる「日本版SOX法」と呼ばれる法律で、上場企業に対して財務報告の信頼性や透明性を確保するために内容保証や監査義務を課すことによって不正や誤りを防止し、これにより証券市場の信頼性確保と投資家保護に資することを目的として制定されたものです。
 この法律によりますと、企業は、不正な財務処理を防ぐ体制の確立や、コンプライアンス(法令順守)の継続的維持といった内部統制活動の実施について「内部統制報告書」として公開し、これを経営者が内容保証するとともに、監査法人による監査を義務付けることとしており、この法律に違反しますと、10年以下の懲役、または個人は1千万円以下、法人は7億円以下の罰金という、大変重い罰則が科せられることになります。
 これらは、今回の法制化では前述のとおり上場企業が対象となっておりますが、いずれ、国や地方公共団体に対しても同様の法制度が適用されるのではないかと言われております。
 導入如何にかかわらず、地方公共団体が行う業務に対しての信頼性や透明性及びこれを担保するための内部統制については、市民に対して説明責任を果たす役割のうえで、現在でも必要不可欠であることは言うまでもありません。
 そこで、現時点においてどのような取り組みをされているかお伺いします。
☆答弁(総務局長)
 現在、所管しております情報システムのデータの信頼性を確保するため、システムで処理される各種統計資料及びその基礎データについて、正当性を確保し、適宜保存可能となるような技術的基盤の導入を検討しているところであります。
 また、ITサービスの運用や保守を適正かつ効率的に実践していくための国際標準となっているITIL(アイティル)と呼ばれるシステム管理のガイドラインに、本市の情報システムを適合させるよう調査研究しております。

●『地域防災力の強化について』
 安心で安全なまちづくりという観点からも、防災と防犯は不可分であり、平常時は防犯組織が非常時には防災組織として機能することを考えると、防犯体制の強化イコール地域防災力の強化に繋がるとも思いますので、今後は防災と防犯の総合化を図るべきだと思います。
 横浜市では、消防の持つ消火・救助・救急などの機動力をベースとして、旧総務局所管の危機管理機能、旧市民局所管の防犯機能を一体化して、各局区と連携し、大都市横浜における市民生活の安全確保を総合的に推進していく局として平成18年4月1日に安全管理局を誕生させました。
 そこで、紹介した横浜市の安全管理局のように、本市においても、防犯と防災の一体化を図り、総合的に安心で安全なまちづくりに取り組むべきと考えますが、当局の見解はどうかお伺い致します。
☆答弁(市民局長)
 危機管理に関して総合的に対応するため横浜市においては、防犯と防災を一体化して安全管理局として組織を整理したことは承知しています。
 また、地域の防犯と防災の組織が重複している例もあり、さらに各組織が持っている情報を市民へ提供していくことは必要であることから、今後の横浜市の取り組みなどの例も参考に、行政組織の一体化や地域の防犯・防災組織の連携や育成、情報共有化のあり方について調査・研究してまいりたいと考えています。
 
●『若葉区の道路問題について』
 国道51号は、貝塚インターチェンジから小倉台団地入り口の交差点までの4車線化が完了しており、現在、四街道市との行政境までは、国土交通省により拡幅整備が進められております。
 この拡幅整備が完成しますと、国道の渋滞が緩和され、成田方面への連絡が強化されるものと期待しております。
 しかしながら、国道51号を挟んだ東西方向の交通の流れを考えますと、国道の整備だけではなく、横断する市道の整備も進め、地域交流の向上を図ることが重要と考えております。
 磯辺茂呂町線と国道51号が交差する小倉台団地入り口の
 交差点は、食い違いの変則形状のため、国道51号と市道の双方の円滑な通行を阻害しております。
 そこで、こうした状況を解消するため、平成17年度に事業着手された、磯辺茂呂町線・若松第一地区の整備により、どのように交差点を改良するのか、また、その完成時期について。さらに御成街道と四街道市境との中間に新たに整備している道路の供用開始時期はいつなのかお伺い致します。
☆答弁(建設局長)
 まず、磯辺茂呂町線と国道51号が交差する小倉台団地入口の交差点改良についてですが、桜木町内会子供会館前の若葉北通りより、国道までの340m区間を整備し、国道との交差を、十字路交差点に改良してまいります。
 次に、完成時期についてですが、平成22年度を目途に整備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、御成街道と四街道市境との中間に新たに整備している道路の供用開始時期についてですが、この道路は、御成街道から四街道市との行政境までの約1.5キロメートルの区間に、国道を安全に横断する道路がないため、新たに、市道若松町179号線及び若松町180号線として、現在、整備しているものであります。
 これらの市道が、国道に接続する交差点部は、国土交通省が、平成18年度の整備を目指しておりますので、これに合わせて、供用を開始する予定であります。