明日の千葉を見つめて
議会レポート
平成21年度第4回定例会(市議会レポート40号)


明けましておめでとうございます
 昨年も私の議会活動に対し、格別なるご理解ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、昨年の世相を表す漢字に「新」が選ばれ、流行語大賞
には、「政権交代」が選ばれるなど、昨年8月の衆議院選挙の結果が社会に与えた影響が大きかったことが伺えます。
 しかし、この政治的な変革に多くの国民の皆様が期待をしたものの、ここ最近の迷走ぶりに支持率も低下の傾向が見え始めております。特に、財源の裏付けのないバラマキ的な政策や戦略なき経済政策は財政の悪化を深刻化させ、将来的な負担が増すだけだと思います。もちろん、発足後間もない中で結果を求めるのは酷ではありますが、我々の主張が的中しそうで不安は禁じ得ません。
 一方、我が千葉市でも、6月に「新」市長が誕生し、「政権交代」のようなものが起きました。やはり最初は国政同様、言動が二転三転したため、不安を抱きましたが、国政と違い、政策については大きな差異がなかったため、これまで3度の議会では特に議案を否決するようなことや、市民生活に大きな影響を及ぼすようなことは起きておりません。ただ現在編成作業が進められている来年度予算の中身については精査が必要です。
 我々の基本的なスタンスとして、以前からずっと「市民生活優先」を掲げております。この基本姿勢を変えずに現在の財政状況とどう折り合いをつけるか、これまで以上に厳しい選択が迫られますが、より皆様の声にしっかりと耳を傾け、将来の千葉市のあるべき姿を見据えながら、「新」しい千葉市づくりに邁進する所存でありますので、今後もご理解ご協力のほどよろしくお願い申します。

平成21年度第4回定例会より
賦課徴収体制の強化のため、市税事務所設置へ

●今議会の概要
 平成21年度第4回定例会は、11月27日から12月16日まで開会しました。
 まず初日に千葉市人事委員会の勧告に基づき、特別職を含めた職員給与を0・4%削減する条例改正(議案124号)が上程され、併せて議員の期末手当を引き下げる条例改正(発議18号)も行い、賛成多数で可決成立されました。
 その他、今定例会に市長から提案された議案は、全18件で、その内訳は、予算案4件(補正予算4件) 条例案4件(制定1件、一部改正3件)一般議案9件(町の区域及び名称の変更1件、宝くじの発売額1件、財産の取得6件、指定管理者の指定1件)、最終日に追加上程された人事案件1件が審議されました。
 さらに、議員からの発議7件(条例案1件・意見書6件)と市民からの請願1件、陳情4件が審議されました。
 その結果、市長提出のすべての議案については全員一致もしくは賛成多数で可決、議員発議については条例案が否決、意見書が全員一致もしくは賛成多数で可決、請願については、我が会派の議員が紹介議員となっていた「シルバー健康入浴事業に関する請願」が採択、陳情は、継続審査だった同趣旨(千葉駅前ロータリーにおける喫煙所設置に関するもの)の2件が採択送付、新規2件のうち、1件が継続審議、1件が不採択となりました。

●市長の公選法違反の疑いについて
 今議会において、最も話題となったのが、稲毛区市議補欠選挙の公示前に市長が特定候補者の支援を求める手紙を発送した問題についてであります。
 この問題については、自民党、共産党が代表質問で触れ、一般質問でも多数の議員が取り上げておりました。
 手紙の内容は、市長名で特定候補者の氏名を挙げて支援を求めているのですが、世間一般の常識では違反の可能性が高いため、このような文書を送付することは通常考えられません。
 また、選挙管理委員会も答弁で明らかにした通り、「公職選挙法で禁じられている『事前運動』や『法定外文書の頒布』に該当する恐れがある」という見解を示しております。裁判で結論が出ていないので、違反と断言していませんが、この見解は、まさに違反に該当すると述べているようなものです。
 しかし、市長からは、その真意を問い質しても、はっきりとした答弁もなく、また、本人も違反の自覚があるのか、送付件数など簡単に判ることですら、全く明らかにしませんでした。
 これまで「ガラス張りの市政」を標榜していた市長とは思えないほど、不透明な答弁であったことは非常に残念でなりません。
 私としては、現在の市政の難局を議会と行政が一丸となって乗り切るためにも、市長の説明責任を果たして欲しかったところです。
 それと同時に、今後、これが前例となって、文書違反が横行しないかということについても非常に危惧しております。
 いずれにしましても、今後の推移を見守りたいと思います。

●平成21年度補正予算について
 議案125号は、平成21年度一般会計補正予算で、新型インフルエンザ予防接種に係る経費などを追加するほか、受給者数の増加に伴う生活保護費などを計上するとともに、一般職及び特別職の職員の給与改定等に伴う減額などを行いまして、総額29億9,000万円を国庫支出金等を財源として追加しております。
 今回の補正によって、一般会計の総額は3,496億8,100万円となりました。
 今回の補正予算で最も金額が多かったものが、年々増加している生活保護費です。この生活保護費については毎年この12月の補正予算で10億前後の追加補正を行っておりますが、この景気の悪化で受給者数が当初見込みより大幅に上回り、「母子加算制度」の復活も重なったため、この度の補正予算で約28億2,400万円が増額となりました。
 財源の4分の3は国の負担であるものの、残りの約7億円は市で負担するため、今回、職員給与の減額で浮いた約14億円の半分は、この財源に充当されたことになります。(残りの約7億円は財政調整基金に積み立て)
 生活保護は、最後のセーフティネットとして重要な役割はあるものの、今回の補正によって総額約247億円になってしまい、財政圧迫の一因となっていることを考えますと、不正受給の洗い出しや制度の見直しをもう一度求めていかなければならないと思います。
 次に、税務オンラインシステム改修についても補正予算が計上されておりますが、これは現在6区役所で行っている賦課徴収事務を集約化し、より効率的・効果的な執行体制として市税事務所を設置するために必要な改修を行うものです。
 本市の市税徴収率は、政令市の最低レベルで、徴収率の向上は喫緊の課題でありました。
 そこで、これまで区長委任事務だった市税事務を市長事務に改め、東市税事務所(仮称)を若葉区役所内に、西市税事務所(仮称)を美浜区役所内に、未設置の区には出張所を設置することとし、東市税事務所では主に法人関係税を、西事務所では、市税以外の滞納料金のうち徴収困難案件を担当する班を設けることを特徴とし、今年の10月から実施予定となっております。
 これによって、管理職の削減や事務の効率化によって10億円以上の効果を狙っております。
 ちなみに、このような市税事務所は既に政令市で大阪市をはじめ4市で行っており、今後名古屋市をはじめ5市が設置する予定と伺っております。
 ただ今回の市税事務所設置については、これまで何の発表もなく、突然補正予算に計上されたため、多くの議員が成否に対する十分な調査ができず、対応に戸惑いました。
 趣旨には賛同できたので、我が会派としても賛成をしましたが、今後、その目的通りの機能を発揮できるよう、注視して参りたいと考えております。
 その他、126~128号までの3議案は、一般会計と同様、いずれも職員の給与改定等に伴う特別会計の補正予算であり、約2億円の減額となりました。        (裏面へ)
 私が12月15日に行いました一般質問とそれに対する当局からの答弁の一部を以下、掲載します。


一般質問

 1 行財政改革について
   (1)インセンティブ予算について
   (2)ファシリティーマネジメントについて
   (3)コンピテンシーについて
 2 入札制度について
   (1)資格要件について
   (2)地元企業への発注・育成について
   (3)新技術・新製品の導入について
 3 こどもの力(ちから)フォーラムについて
 4 赤ちゃんの駅について
 5 観光農園の育成について
 6 縄文の森について

 

主な質問と答弁

●『インセンティブ予算について』
 インセンティブ予算については、第1回定例会でも質問させて頂きましたが、第3回の定例会の代表質問において市長よりインセンティブ予算を来年度より取り入れるとの答弁を頂き、非常に嬉しく思っております。
 そこで、本市のインセンティブ予算をどのように導入するのか、仕組み、目標金額等、具体的な制度内容について伺います。
 また、モデルにした都市はあるのか。さらに期待する効果、想定されうる課題についても伺います。
☆答弁(財政局長)
 今回の新年度予算の編成において、各局における予算執行段階での創意工夫や事務改善の取組みなどを評価する形で、インセンティブ予算の対象を拡大しました。
 具体的には、目標金額は設けておりませんが、各局における平成20年度及び21年度予算執行の見直しにより不用額が生じたものについて、創意工夫などの度合いを点数化して評価を行い、その結果に応じ、一般財源節減相当額の2分の1または10分の10を、見直し効果が及ぶ期間等を考慮し、1年から3年程度にわたり各局の予算要求枠に付与するものです。
 これにより、導入初年度の今年度は、インセンティブ付与について協議のあった24件のうち、10件について認め、合計1,900万円の予算要求枠を付与したところです。
 次に、モデルにした都市は、インセンティブの対象、節減額のうち付与する割合、付与する期間などについて、札幌市、川崎市、横浜市や浜松市など他政令市の状況を参考に検討を行いました。
 期待する効果としては、経費支出の節減に加え、その取り組みを評価することで、職員の意識改革につながるものと考えております。
 このため、引き続き、職員の積極的な取組みを引き出していくことが課題であり、今後とも、前例踏襲でない見直しの姿勢を適切に評価していくことが重要であると考えております。
 
●『新技術・新製品の導入について』
 これまで、私は本市に様々な形で、新技術や新製品の紹介を行ってきました。しかしながら、当局もいいものだとわかりつつ、「特許だと発注が難しい」とか「実績がないから」という理由で、大半が採用されずにおります。
 何かといい方法はないかと模索していたところ、出会ったのがトライアル発注制度です。
 このトライアル発注とは、中小企業やベンチャー企業等が開発した新製品や新技術を、地方自治体や病院、学校などの公共機関が試験的に発注し、使用後はその有用性を評価する事業として、平成15年7月に佐賀県が全国に先駆けて実施したのが始まりとされております。その後、平成16年11月には、岐阜県から提案された構造改革特区の第5次提案により、地方自治法施行令が改正され、ベンチャー企業の育成という政策目的のために随意契約の対象範囲を拡大することが可能になり、トライアル発注制度のようにベンチャー企業等の新製品等を随意契約で購入する制度が都道府県レベルで全国的に広がっています。
 また北九州市、熊谷市、鳥取市など、市でも導入しているところが増えてきており、地元企業の育成の観点から、本市でも導入の検討をすべきと考えます。
 そこで、トライアル発注導入について当局の見解を伺います。
☆答弁(経済農政局長)
 トライアル発注制度の導入についてですが、中小企業やベンチャー企業の直接の販路拡大として、有効なものと認識しておりますが、庁内向けに適した製品が少ないことや、製品単価が高額になりがちになるなど、課題もあることから、引き続き調査・研究して参ります。
 新技術・新製品の販路拡大については、千葉県のトライアル発注制度を市内事業者に活用するよう促すとともに、市産業振興財団において、希望する見本市等への出展費用を助成するなど、今後とも 支援に努めて参ります。

●『赤ちゃんの駅について』
 私が、先日会派の視察で福岡市に行ったおり、「赤ちゃんの駅」のシンボルマークが目につきました。
 これは、福岡市が、乳幼児を抱える保護者が外出しやすい環境づくりを進めるとともに、社会全体で子育て家庭を支える意識の醸成を図ることを目的に、今年の10月から始めたもので、公共・民間を問わず、授乳やおむつの交換スペースがある施設を「赤ちゃんの駅」として登録し、シンボルマークが入ったステッカーや旗、のぼりを掲示するとともに、市のホームページの地図システムでも確認できるようにしたものです。
 既に授乳やおむつ替えが可能な施設を市に登録、ステッカーなどを配布するとともに既存の地図システムでも確認できるようにしたもので、ローコストでの実現が可能であります。
 そこで、このような乳幼児連れの親子が、外出中に授乳やおむつ替えを行うことができる場所について、本市の公共施設の状況はどのようになっているのか。
 また、本市においても、是非、赤ちゃんの駅を導入すべきだと考えますが、当局の見解を伺います。
☆答弁(保健福祉局長)
 まず、授乳やおむつ替えを行うことができる公共施設の状況についてですが、授乳室は、若葉、緑及び美浜区役所内に専用の部屋があり、他の区役所では、保健室で対応しております。
 また、おむつ替えの設備については、本庁及びすべての区役所で設置しております。
 さらに、その他の公共施設についてですが、各「保健福祉センター」や「保育所」、「地域子育て支援センター」、「子育てリラックス館」、「子育て支援館」及び「子ども交流館」等において、授乳やおむつ替えが出来るようになっております。
 最後に、赤ちゃんの駅の導入についてですが、乳幼児連れの親子が安心して外出できるよう、授乳やおむつ替えが可能な施設の所在について、分かり易いシンボルマーク等によりお知らせする、地図情報システムを活用した子育てマップの作成とともに、民間施設も含めた登録制度についても、併せて検討して参ります。

●『観光農園の育成について』
 シティーセールス戦略プランの中では、交流型・体験型観光の充実及び効果的な情報発信を進め、千葉市の魅力を体験してもらうことで愛着や一体感の醸成を図ることが掲げられ、谷津田、里山、市民農園、加曽利貝塚などともに観光農園が明記されています。
 実際に、新鮮な農産物の収穫体験を通じて、市民が楽しみながら、気楽に農業に親しめる場を提供するため、市内でも多くの観光農園が開設されており、消費者と生産者が交流することによって、農業に対する理解が深まっていると聞いております。
 また、様々な果物や野菜を直接収穫し、四季を通じて楽しめる観光農園は、市民生活に潤いを与えるとともに、安心安全で新鮮な農産物を提供する地産地消の場としても大変有効であります。
 しかしながら情報発信が充分でなく、より多くの市民が利用できるようにするともに、市外の方にも千葉市を代表する観光資源として市民農園をもっとPRするような情報提供が求められているところであります。
 そこで、観光農園の現状と今後の取り組み状況、情報発信の仕方について伺います。
☆答弁(経済農政局長)
 観光農園の現状についてですが、現在、イチゴ、ナシを中心にブドウ、タケノコ等の収穫体験ができる観光農園が20か所整備されており、平成20年度は約5万8,000人の来園者がありました。
 季節感を味わいながら収穫が楽しめるように、従前のナシ、ブドウ、イチゴ、に加え、ブルーベリー、トマト等を組み合わせた観光農園を育成した他、イチゴでは2戸により、栽培管理は農家が行い、  摘み取りを来園者が行うオーナー制度方式を採用しており、共に好評を得ております。
 次に、観光農園の今後の取組みについてですが、引き続き、強風や鳥獣被害を軽減するための、多目的防災網などの栽培機械施設の整備を進めるとともに、より多くの市民に親しまれるよう、車イスの方でも利用できる、イチゴの高設栽培や、身障者トイレ等の整備を支援し、バリアフリー化を推進して参ります。
 さらに、年間を通じて利用できるよう、栽培品目の充実を指導して参ります。
 最後に、観光農園の情報発信の仕方についてですが、社団法人千葉市園芸協会が作成したパンフレットや、社団法人千葉市観光協会のガイドブック「千葉市観光協会のおすすめスポット350」を、各区役所等公共施設に常設し、観光農園の紹介に努めております。
 また、市のホームページに、観光農園マップを掲載し、農園の所在地や利用期間などの情報紹介をしています。
 今後も、ホームページの内容の充実や、各農園とアクセスしやすいよう改良をすすめ、多くの方々が 活用しやすい情報発信に努めて参ります。