明日の千葉を見つめて
議会レポート
平成22年度第1回定例会(市議会レポート41号)


今議会を振り返って~なぜ修正で決着したのか~
 今議会に上程された平成22年度一般会計予算については、我々自民党を中心とした3会派が共同で提出した修正動議が可決され、市当局もこの動議を受け入れる形で成立しました。
 なぜこのような形で決着したかといえば、「市民生活に多大な影響を与えてならない」という強い想いがあったからです。
 上程された予算(原案)は、幼稚園就園奨励費の大幅な削減や私立高等学校等教育設備整備補助の休止、高齢者のいきがい対策事業費の大幅削減、自治会に対する行政事務委託料や資源回収促進奨励補助の削減といった、今後重点的に予算配分されるべき、『子育て支援』『教育』『高齢者福祉』『地域分権社会』に資する事業に大幅な見直しがなされる一方、新規事業で盛り込んだマニフェストに関しては、緊急性や必要性の考慮が全くなされておらず、まさにバランスを欠いた予算編成となっておりました。
 また、市民産業まつりを始めとした各種のイベントの休止、青色防犯パトロール車の休止、難病疾患見舞金の縮小・廃止など、市民にとって必要な事業にもかかわらず、事務事業評価では効果測定の難しい事業に対し、安易な見直しがなされており、市民に負担を強いりながら、マニフェストに拘る姿勢に賛同することができなかったのです。
 我々も、財政再建を最優先課題としておりますが、そのための手段が違います。我々は、市民生活への影響や負担を軽減するため、市民の皆様と相談しながら、段階的に削減を図り、徐々に新規事業に振り分けるといったソフトランディングの手法を採るべきと考えています。
 そこで、全ての事業について、緊急性と必要性の観点から再度検証し、徹底的な行財政改革を推進するとともに、新たな歳入の確保を図ることによって、最低限6つの事業については復活できると確信し、組み替え動議を提出したのです。しかしながら、この組み替え動議については、他会派の賛同が得ることができませんでした。
 その後、このまま原案を否決してしまうと、4月以降にすぐに始まる事業にも穴が空いてしまい、余計に市民生活に影響があるのではないかという想いから、会派内で様々な議論をした結果、組み替え動議で出した6つ事業からさらに3つの事業に絞り込みこととし、予備費を財源とした修正案を作成したのです。
 予算執行にあたっては、予備費を使わずに済むよう、組み替え動議で求めた歳出削減案を最大限考慮した上で、実行して頂きたいと求めたところです。
 今後、我が会派としても、予算執行を注視するとともに、更なる行財政改革の推進に努めて参りたいと思いますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。


平成22年度第1回定例会より
自民党他二会派で行政事務委託料などを復活

●今議会の概要
 平成22年度第1回定例会は、2月22日に召集され、3月19日に閉会しました。
 今定例会に市長から提案された議案件数は、全106件で、その内訳は、予算案25件、条例案54件、一般議案12件、最終日に追加上程された人事案15件となっております。
 さらに、議員からの発議21件と市民からの請願8件・陳情4件が審議されました。
 その結果、一般会計当初予算を除く、市長提出のすべての議案については全員一致もしくは賛成多数で可決しました。

●修正案の内容について
 今回提出した修正案の内容は以下の通りです。
①『科学の都』に関する経費の費目の付け替えについて(総務費→商工振興費)
②町内自治会行政事務委託料の一戸当たりの補助について(現行どおり400円の維持)
③敬老会開催補助について(原案500円を650円に修正)
④はり・きゅう・マッサージ施設利用助成について(原案6枚交付を10枚交付に修正)
 なお、このような修正案が可決されたのは、千葉市政初とのことです。

●平成22年度当初予算の概要
 昨今の景気悪化に伴い、さらに収支不足が300億円を超える規模まで拡大しました。
 この収支不足への対応としては、歳入面では、国民健康保険料や保育料などの公共料金の見直し、市税等の徴収対策や未利用市有地の処分、地方交付税や臨時財政対策債の確保、子ども医療費助成における県単独補助金の増額などにより、約149億円を確保し、歳出面では、事務事業の見直しや優先度に基づく事業の厳選により52億円、さらに、職員の給料の削減(9~3%カット)や政令市初となる退職手当の削減(3~2%カット)で36億円とで約88億円の削減を行いました。
 さらに、市債管理基金から30億円の借り入れ、財政調整基金から6億円の取り崩しを行うこととしたほか、定年退職以外の退職手当(約20億)や国民健康保険事業特別会計への赤字繰出金(約28億)についても、当初予算への計上を見送るという措置を講ずることよって歳出確保を図っております。
 このような状況の中で編成された平成22年度の予算規模は、一般会計3,503億7,000万円(前年度比4.6%増)、特別会計3,702億2,800万円(5.1%減)、合計7,205億9,800万円(0.6%減)となりました。
 これだけの対策を取りながら、予算規模が拡大した主な理由は、子ども手当支給が約178億円、生活保護が約239億円といった扶助費が大幅に増額したことが挙げられます。

●組織改正について
 少子化対策、要保護児童対策、青少年問題など、複雑多様化する子どもをめぐる課題に対して、一体的な施策展開を図るため、子ども家庭部と生涯学習部青少年課を統合し、こども未来局が新設されました。
 また、広報・広聴機能の一元化と政策部門との連携強化を図るため、企画調整局の名称を総合政策局に変更し、総合政策部及び市民自治推進部を新設するとともに、道路と下水道の一元的な整備や管理による事務の効率化を図るため、建設局に下水道局が統合されました。
 今回の組織改正を受けて、議会においても条例を改正し、所管委員会の変更を行ったところでありますが、若干、今回の組織改正に疑問が残るところもあります。
 例えば、市民自治推進部を新設しましたが、自治会の窓口になっている地域振興課がそのまま市民局に残っており、自治会は市民自治の担い手ではないのか、また、新設されたこども未来局もその下にこども未来部があるだけの一局一部体制で、新たな局長ポストを増やしただけではないか、さらに市民局は、廃止や統合された課が多く、今後、市民局の存続についてどう考えているのか等々、課題や疑問が残るところです。
 この組織改正も行政改革の一環でありますから、より効率的・効果的なものになるよう要望して参りたいと存じます。

●当初予算以外の主な議案説明
 議案第26号は、市長の政治倫理条例の制定についてです。
 昨年度に、現職市長、現職議長が相次いで逮捕され、市民の皆様に多大なご迷惑をおかけました。
 今後そのようなことが起きないよう、議会においても議会の最終日に発議5号として政治倫理条例を上程し可決しました。
 そして、市長側の方からも、同様の条例が提案されたのであります。
 また、併せて、職員の事件も相次いでいることから、議案第27号で、職員の職務に係る倫理の保持に必要な措置を講じ、公務に対する市民の信頼を確保するため、条例を制定する議案が上程されました。
 今後も信頼回復に向け、努力して参りたいと存じます。

代表質疑
私が3月1日に行いました代表質疑のうち、「市政運営の基本姿勢について」質疑したものとそれに対する市長からの答弁のそれぞれ一部を以下、掲載します。

代表質疑の通告内容

1 市政運営の基本姿勢について
 2 総務行政について
 3 財政運営について
 4 市民行政について
 5 保健福祉行政について
 6 環境行政について
 7 経済行政について
 8 建設行政について
 9 下水道行政について
 10 消防行政について
 11 教育行政について

 

主な質問と答弁

■『就園奨励費の削減について』
 以前からこども施策に対する縦割り行政の弊害をなくすための主張をしてきました。
 その象徴的な弊害が幼保格差の問題であると考えております。
 この度の幼稚園就園奨励費の削減は、この幼保格差を更に拡げるものと思いますが、市長の幼保格差への認識、幼稚園就園奨励費の削減理由についてお伺い致します。
☆答弁(市長)
 はじめに、幼保格差への認識についてですが、両施設は、施設の目的や性格をはじめ、対象児の年齢構成や、土曜日・夏休みなどの開設日数、教育時間や保育時間などのサービス内容、また、運営に係る財源などがそれぞれ異なっておりますので、比較することは極めて困難であると考えております。
 次に、幼稚園就園奨励費の削減理由についてですが、平成22年度の国庫補助事業の改正において、補助単価の抜本的見直しが行われ、低所得者層への給付が増額されたことや、厳しい財政状況を勘案し、本市を含め政令市中4市が実施している市単独事業につきましては、市民税所得割額に応じて減額をいたしました。
 また、保育料についても、国の制度改正に合わせ見直しを行っており、幼保格差を助長することにはならないと認識しております。

■『高齢者福祉施策の認識について』
 介護予防や医療費抑制の観点を重視し、高齢者のいきがい対策には力を入れるべきだと思っております。
 しかし、先の議会で請願が採択送付されたシルバー健康入浴事業については廃止を前提とした大幅削減、はり・きゅうマッサージ施設利用も所得制限を設けた上で発行数の大幅抑制、敬老会への補助も削減、老人つどいの家も廃止を前提とした縮小、いきいき健康マージャンも廃止と、高齢者には厳しい内容となっております。市長の言う「未来の千葉市」とか「若さと活気にあふれるまち」とは高齢者福祉の切り捨てを言っているのでしょうか。
 市長の高齢者施策に対する認識をお伺い致します。
☆答弁(市長)
 私は、介護や医療など、真に支援を必要とする高齢者の方が安心して暮らせるよう、必要なサービスを的確に提供するとともに、元気な高齢者の方には、いつまでも元気に過ごしていただき、高齢者の知恵と元気が街づくりに活かせるような千葉市にしたいと考えております。
 しかしながら、新年度予算は、手厚いサービスを一律に提供するのではなく、真に必要としている方々へピンポイントで支援する方向へシフトするよう取り組みました。
 高齢者関係予算では、特別養護老人ホームの整備や介護人材の確保、認知症対策などに優先的に取り組み、高齢者施策に十分対応できたと考えております。

■『行政事務委託料の削減について』
 自治会長のところには、毎週毎週市から広報物が送られてきて、もう少し負担を減らせないかということは以前から要望を受けていました。
 しかし、少しでも町内会費の足しになればという思いで各自治会長さんや役員さんは協力してくれております。
 それで何故、この行政事務委託料を突然削減するのか、私には理解ができません。
 私は、これから本格的な地方分権、地方主権時代が到来する時に、地域コミュニティの中心的な担い手となるのは、町内自治会だと思っております。そして、町内自治会が活動しやすい環境整備をするのが地方自治体の役割であると考えます。
 そこで、町内自治会と行政の在り方について、市長はどのように考えているのか。また、今回の削減理由、決定の時期を伺うともに、連協会長等には相談したのかお伺いします。
☆答弁(市長)
 町内自治会と行政の在り方についてですが、地域の連帯意識の向上や安全な生活環境の実現を図るため、町内自治会と行政が一体となった参加と協働の強い関係を築いていくことが重要であると考えております。
 次に、行政事務委託料の削減理由、決定時期及び市連協会長等への相談についてですが、各自治会の事務負担を軽減できるよう、回覧物の厳選、発送回数の削減、発送日の集中化等の事務の見直しを行うことによるもので、年明けに、財政局の報告を受け、私が判断しました。
 今後も、千葉市の自治を支える重要な団体であることから、市として責任ある説明をしていく必要があると認識しております。