明日の千葉を見つめて
議会レポート
平成22年度第3回定例会(市議会レポート43号)


スポーツを基盤としたまちづくりを~国体の経験を活して~
 急激に寒くなりましたが、皆様におかれましては、ご健勝でお過ごしのことと存じます。
 さて、国内最大級のスポーツの祭典である「第65回国民体育大会(ゆめ半島千葉国体)」が9月25日から10月5日までの間、そして「第10回全国障害者スポーツ大会(ゆめ半島千葉大会)」が10月23日から25日の3日間にそれぞれ開催されました。
  「国民体育大会」は、昭和48年に開催された「若潮国体」以来、実に37年ぶりの開催となり、本市では、陸上競技、体操、新体操、セーリング、ライフル射撃、ボウリングの6種目の競技が行われました。
 また、「ゆめ半島千葉大会」では、陸上競技、卓球、ボウリング、フライングディスクの4種目の競技が行われ、両大会の期間中は、本市に関係者約1万2千人と、延べ10万人の観客が訪れ、ほぼ予想通りの成果が得られました。
 成績も「千葉国体」では本県が悲願であった天皇杯・皇后杯獲得と男女ともに総合1位を記録し、「千葉大会」でも本県は総合1位、本市も5位(政令市中1位)を記録し、さらには大会マスコットの「チーバくん」も、市内における各種イベントにひっぱりだこで人気も急上昇したことから、今後も千葉県の公式キャラクターとして活動していくことが決定し、事前の不安を吹き飛ばすような盛り上がりを見せました。
 これも偏に地域・学校や企業、各種ボランティアの皆さんのご協力のお陰であり、私も両大会役員の一人として心から感謝申し上げる次第であります。
 しかし、この盛り上がりを一過性のイベントで終わらせることなく、今後どのように繋げていくかが大切であります。
 幸いにも本市は今年日本シリーズを制覇した千葉ロッテマリーンズやジェフユナイテッド市原千葉が本拠地としており、また国際千葉駅伝や千葉国際クロスカントリー大会などの国際大会、講道館杯全日本柔道体重別選手権大会や日本スプリントトライアスロン選手権幕張大会など大小様々な大会が開催されており、スポーツを基盤とした都市づくりに対するポテンシャルは国内でもトップクラスであります。
 また、スポーツは、体力の向上はもとより、精神的なストレスの発散や生活習慣病の予防など、心身両面にわたる健康の保持増進に資するものであります。
 このようにスポーツ振興に力を入れて行くことは、今後のまちづくりをしていく上で非常に重要であり、本市の大きなセールスポイントになりますので、今後も「スポーツのまち千葉」への取り組みを充実させていきたいと思います。ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

平成22年度第3回定例会より
来年度予算編成についても財政再建路線を堅持

●今議会の概要
 第3回定例会は、8月26日に召集され、9月17日に閉会しました。
 9月議会は、例年ですと、9月上旬から10月上旬まで開催されるのですが、今回は、国体の開催もあり、一週間ほど開会を早め、会期も短縮して行われました。
 今定例会に市長から提案された議案件数は、全36件(補正予算案4件・条例の一部改正7件・損害賠償額の決定及び和解2件・市道路線の認定及び廃止1件・決算の認定19件・人事案件3件)で、議員からの発議7件(条例案1件・意見書6件)と市民からの請願6件、陳情6件が審議されました。
 その結果、市長提出の全ての議案については、全員一致もしくは賛成多数で可決しました。
 発議は、条例案が否決、意見書6本(うち我が会派提出「国営かんがい排水事業「北総中央地区」の平成25年度事業完成等を求める意見書」)が全員一致もしくは賛成多数で可決した他、
 請願は、我が会派が紹介議員となった「ことぶき大学校存続に関する請願」「任意接種に対する公費助成制度の創設を求める請願」「子ども医療費助成制度にかかる通院医療費の助成拡大を求める請願」を含む4本が採択送付され、陳情は、4本が不採択、1本が撤回され、1本が継続審議となりました。

●ごみ排出ルール違反への指導強化
 議案155号は、ごみの分別・排出ルールを守らない者に対して指導を強化するとともに、ごみステーションからの資源物等の持ち去りを禁止するものです。
 (1) 一般廃棄物処理実施計画に定めるごみの分別・排出ルールに従わなければならない旨を規定。
 (2) ルールを守らない者に対して改善に係る勧告及び命令を行うこととし、当該命令を受けてから1年以内に再びルールに従わずにごみを排出した場合、2千円以下の過料に処することとする。なお、その者が事業者の場合は、その違反事実等の公表も行う。
 (3) 市又は指定業者以外の者は、ごみステーションから資源物等の収集運搬をしてはならない。
 (4) 本条例に違反して、資源物等の収集運搬をした者については、原状回復及び資源物等の収集運搬の禁止を命令することとし、当該命令に違反した者は、20万円以下の罰金に処することとし、違反者及びその法人等については、その違反事実等の公表を行う。
●平成21年年度決算の認定について
 毎年9月の定例議会は、決算の認定のため、議員全員で構成する特別委員会を設置し、この委員会を 更に2つの分科会に分けて審議しております。
 平成21年度決算は、歳入面では、市税収入が5年ぶりに58億円を超える減収となったものの、国庫支出金や諸収入が増収となりました。
 歳出面では、投資的経費が減少したものの、国の定額給付金事業の実施や中小企業資金融資預託貸付金が増額となったことなどにより、歳入歳出規模がともに前年度に比べ9.2%の大幅な増となりました。
 その結果、実質収支額は、前年度を超える7億1,800万円を確保いたしましたが、これは市債管理基金からの借り入れを行ったり、国民健康保険事業特別会計への繰出しを一部取りやめることで一般会計の赤字を回避したものであり、かつてない極めて厳しい決算であったと思います。
 また、鶴岡前市長が市債を抑制した予算を編成したため、市債残高はようやく減少したものの、財政指標の面でも、国民健康保険事業特別会計で多額の赤字が生じたことにより、連結実質赤字比率が初めて発生したほか、実質公債費比率は21.1%、将来負担比率は306.4%と、政令指定都市でワースト1位となる見込みであり、財政の硬直化は深刻度を増していることから、財政健全化の実現に向けた取組みが引き続き必要です。
 私が9月2日に会派を代表して行いました代表質問とそれに対する市長からの答弁の一部を以下、掲載します。

代表質疑
2月18日に会派を代表して行いました代表質疑とそれに対する市長及び関係当局からの答弁の一部を以下、掲載します。

代表質疑の通告内容

1 市政運営の基本姿勢について
   (1)21年度決算と22年度収支見通しについて
   (2)新年度予算編成の基本的な考え方について
   (3)新基本計画の策定について
   (4)新行政改革推進計画について
2 財政について
   (1)補助金の適正化について
   (2)市税徴収対策について
   (3)土地開発公社の解散について
3 市民行政について
   (1)路上喫煙等の防止対策の現状と今後の展開について
4 保健福祉行政について
   (1)一人暮らし高齢者施策について
   (2)口腔がん検診について 
5 こども行政について
   (1)子どもの医療費の助成制度について 
6 経済農政について
   (1)中小企業の支援について
   (2)千葉市農業基本計画の策定について 
7 都市行政について
   (1)幕張新都心拡大地区について
8 建設行政について
   (1)総合評価落札方式による公共工事の品質確保について
   (2)スーパー銭湯の下水道使用料差額徴収について
9 消防行政について
   (1)消防ヘリコプターの運航体制について
10 教育行政について
   (1)小学校給食調理業務委託について
   (2)加曽利貝塚について
   (3)生涯学習の推進について

 

主な質問と答弁

●『新年度予算編成の基本的な考え方について』
 本市は、昨年10月に「脱・財政危機」を宣言し、市財政の危機的な状況を市民に明らかにしたところであり、その後策定された財政健全化プランでは、平成25年度までの4年間で1,320億円を超える収支不足が見込まれるとの収支見通しが示されております。
 この中で、平成23年度以降については、財政健全化プランで掲げる財政健全化に向けた取組みによる効果額を見込んでも、収支不足の解消には至らないことが試算されており、新年度予算編成は、引き続き厳しいものとなることが想定されます。
 そこで、新年度予算編成に取り組まれる市長の基本的な考え方はどのようなものなのか。
☆答弁(市長)
 予算編成の基本的な考え方についてですが、第一に、財政再建路線を堅持し、早期の財政健全化への取り組みを強化することが重要であり、市民生活に配慮しながら、今後策定するアクションプランに的確に対応するとともに、徹底的な行財政改革により収支均衡を目指す必要があるものと考えております。
 そのうえで、市税等の徴収率向上や受益者負担の適正化など、あらゆる自主財源の確保はもちろんのこと、行政がやるべき仕事は何かを念頭に、従来の概念に捉われない柔軟な発想で事務事業を見直していくとともに、将来にわたり活力ある千葉市を実現するため、市民が真に必要としている分野には財源を重点配分することを基本に、予算を編成して参ります。

●『土地開発公社の解散について』
 土地開発公社は、平成4年10月に設立し、政令市移行に伴う都市基盤整備に必要となる公共用地の先行取得に積極的に活用してきました。
 この結果、平成17年度には基盤整備も進み、用地取得も減少し、また、土地価格の低迷により、経済的メリットが薄れてきたことから、公社の設立目的はすでに達成されたと判断し、「千葉市外郭団体経営見直し指針」で、公社解散の方針を決定し、以後は新たな用地取得を行わず、保有している土地は平成18年度から22年度を期間として買戻しを進めてきました。
 公社が用地取得を行うための資金は、民間の金融機関から借り入れで賄っており、本市の買戻しが遅れれば遅れるほど、利息の負担が大きくなり、その買戻し価格も増加することになるため、国の支援措置である第三セクター等改革推進債(以下、三セク債)を活用し、早期解散に取り組むべきと考えますが、どのように進めていくのか。
 また、三セク債を活用した場合にどのようなメリットやデメリットがあるのか。
☆答弁(市長)
 国が、地方公共団体において、公営企業や公社等の抜本的改革を集中的に行えるように創設した三セク債は、平成25年度までの時限的な措置であること、また、現在の金利が、かなり低い水準であることなどを考慮すると、早期解散に向け、今年中に議会で三セク債の起債許可申請、土地開発公社の解散」、起債の歳入と公社借入金を返済するための歳出の補正予算についてご審議をいただき、事務手続きを進めて参りたいと考えております。
 次に、三セク債のメリット・デメリットについてですが、土地開発公社においては土地の購入費用を、半年ごとに金利を見直す金融機関からの借り入れによって対応していますが、市債を活用するメリットとして、金利を固定化し債務を確定させ、より計画的な償還を可能にするとともに、今後の金利上昇に対するリスクを回避できること、さらに、支払利息の一部が特別交付税の対象になることが挙げられます。
 一方デメリットとして、市債残高の増加による実質公債費比率の上昇が考えられますが、毎年度の公債費負担をできる限り軽減できるよう工夫したいと考えています。

●『子ども医療費の助成制度について』
 子どもの医療費の助成制度については、これまで小学校就学前児までを対象として実施していたものを、本年10月診療分から入院医療費については、中学校修了まで拡大するとのことです。
 これに対して県の補助制度は、本年12月から通院・入院ともに小学校3年生まで拡大し、千葉市との制度に格差が生じることとなると聞いております。
 そこで、3点お尋ねいたします。
 1点目は、中学校修了までの入院医療費拡大に伴う、医療費助成の方法はどのようになるのか。
 2点目は、県の制度拡大に伴う、県内市の動向はどうなっているのか。
 3点目は、千葉市の今後の取り組みはどのようにしていくのか。
☆答弁(市長)
 まず、中学校修了までの入院医療費拡大に伴う医療費助成の方法についてですが、県は当初、将来的拡大を見据え、レセプト審査システムを中学校修了まで対応する予定としていたため、本市も同システムの利用による現物給付(※1)を予定しておりましたが、今般、県のシステム改修は、本年12月から小学校3年生までの対応とされたため、10月時点において入院の拡大部分についての助成方法は、償還払い(※2)となります。
 次に、県の制度拡大に伴う県内市の動向についてですが、平成22年4月時点では、本市以外の22市が通院の対象を小学校就学前児としておりましたが、県からの7月末時点の情報では、12月からの県の対象拡大に合わせ、これら22市は全て小学校3年生以上に拡大する予定とのことであります。
 次に、本市の今後の取組みについてですが、通院の助成対象を県と同様の小学校3年生まで引き上げた場合、通年に換算しますと約8億円の財源が更に必要になると推計されることから、極めて厳しい財政状況の中、現時点で、ただちに拡大することは、困難であると考えております。
 なお、県制度は、平成22年12月から通院・入院医療費ともに助成対象が小学校3年生まで拡大されますが、所得制限や自己負担額が300円など、一部、本市より厳しい条件を設定しております。
 今後、県市間協議による、補助率の適正化に向けた要望を引き続き行うとともに、子ども手当上積み分の現物サービス化などの、国の動向にも注視し、自己負担額の改定などの制度改正も視野に入れる中で、通院医療費の対象拡大について検討して参ります。
 ※1「現物給付」とは、健康保険に加入している人が、医療サービスを直接保険制度から受けることです。つまり、窓口の負担は、自己負担額分のみです。
 ※2「償還払い」とは、事業者に費用を一旦支払い、その後保険者に請求して費用を還付して貰う方法です。

●『加曽利貝塚について』
 加曽利貝塚の世界遺産登録は、本市にとって極めて意義のあるものですが、現在、暫定リストに登載されている遺産が13もあること等を考慮すると、全国に68ある国指定史跡の貝塚の中で、加曽利貝塚が国内で類例のない文化遺産であることを証明し、活性化を図るため、他の方策も考える必要がございます。
 その一手法として国の特別史跡の指定を目指すことが効果的であると考えます。
 これは、有形文化財における国宝と同格に位置付けられるもので、この国の特別史跡の指定を受け、地域活性化等の面で成功を収めている事例として、青森県の三内丸山遺跡が挙げられます。同遺跡はPR等も積極的であり、大勢の方々が訪れております。
 より多くの方に、加曽利貝塚を知っていただく契機とし、将来的に世界遺産を目指す礎とするためにも、ぜひ特別史跡の指定を目指していただきたいと思います。
 そこで、加曽利貝塚の特別史跡指定に対する市の基本的考え方、指定を目指す際の課題についてお伺いします。
☆答弁(教育長)
 加曽利貝塚は、国を代表する縄文時代遺跡の一つであり、その規模等も他の史跡に勝るとも劣らないものであること、貝塚遺跡の特別史跡は国内初となり、市内外の方々に、さらに加曽利貝塚を知っていただく契機ともなることから、目指すべき価値があるものと認識しております。
 次に、指定を目指す際の課題についてですが、昭和37年から昭和60年代までに行われた調査結果の再検討及び資料の再分析を行うとともに、貝塚の北側及び西側において史跡の範囲を確定する調査を実施し、加曽利貝塚が学術上の価値が特に高く、我が国の文化の象徴たるものであることを立証する必要があるものと認識しており、今後、特別史跡の指定に向け、検討を進めて参ります。