明日の千葉を見つめて
議会レポート
平成23年度第1回定例会(市議会レポート45号)


三期目の4年間を振り返って ~一層の行財政改革の推進を!~
 皆様のご理解ご協力により、私の三期目の任期も4月末日を以て終了します。今期の4年間を振り返りますと、代表質疑や一般質問で本会議場に登壇すること15回、ほぼ毎回、行財政改革や環境問題を中心に、市政各般に亘り幅広く質問させて頂きました。また、分科会や常任委員会などでも積極的に発言させて頂き、「議員の最大の職責は議会で発言すること」を信条に、執行部に対し、様々な提言や意見を述べて参りました。
 また、議会内での役職も、総務委員長を始め、議会運営委員長を2年連続で務めさせて頂くとともに、会派の幹事長として会派をまとめつつ、他会派との折衝をさせて頂いたことは、非常に貴重な経験であり、この上ない財産であると考えております。
 さらに、議会改革検討協議会のメンバーとして、議会改革に取組み、政治倫理条例の制定や議長立候補制度、一問一答方式の導入などに取り組んで参り、この三期目の4年間は、これまで以上に濃密な議員活動をさせて頂きました。
 今後もこれら経験を活かし、市政運営へ参画させて頂き、市政発展に尽力して参りたいと考えております。
 特に本市は、平成24年度から27年度にかけて市債の償還がピークとなり、極めて多額の収支不足が見込まれるとともに、27年度には財政の健全化判断比率である実質公債費比率が早期健全化基準を超える可能性があるなど、依然として、危機的な状況に直面しております。このため、市政運営にあたっては、行財政改革を一層推進し、必要な予算とそうでないものを今まで以上に選別することが重要となっていることから、今後も行財政改革を一番の政策課題に掲げ、邁進していく所存であります。
 今後とも皆様の忌憚のないご意見をお聞かせ願えれば幸いです。

平成23年度第1回定例会より

●今議会の概要
 平成23年度第1回定例会は、2月15日に召集され、3月4日に閉会しました。
 今定例会は、4月10日に千葉市議会議員選挙が控えていることから、通常より若干早めに開会され、短縮された日程で開催されましたが、予算案や議案に対する審議時間は通常通り確保し、慎重審議に努めて参りました。
 今定例会に市長から当初提案された議案件数は、94件で、最終日に追加提案された人事案11件を加えた合計105件を審議しました。その内訳は、予算案29件(補正予算11件、当初予算18件)、条例案22件(制定1件、一部改正19件、廃止2件)、 一般議案54件(権利の放棄及び調停1件、地方公共団体の数の減少等に関する協議1件、規約の制定1件、工事委託契約1件、指定管理者の指定37件、包括外部監査契約1件、市道路線の認定1件、人事案11件)、さらに、議員からの発議3件(条例案3件)と市民からの請願2件・陳情3件が審議されました。
 その結果、継続審査となった議案88号を除く、市長提出のすべての議案については全員一致もしくは賛成多数で可決しました。

●議案88号の継続理由について
 議案88号は、高洲市民プールほか34施設の指定管理者の指定を行うものです。
 この指定管理者制度は、民間企業等の能力を活用することによって、市民サービスの質の向上と行政コストの縮減という命題を両立させるために導入された制度ですので、コスト削減に捉われ過ぎると本来の目的を失ってしまいます。
 実際にいくつかの指定管理者の選定において、管理経費の縮減の1項目でのみ相手の企業体を下回ったために落選するケースが見受けられるなど、審査の配点がコスト面に偏重していたことが指摘できます。
 今回の選定の目的がコストカット重視であることを前提とすると、88号は、転籍による人件費や団体存続のための事業費の増加ということで逆にコスト増が見られ、整合性が取れない上に、今後、外郭団体をどうするのかというビジョンも見えてきませんでした。
 さらに、監査から分割発注すべきという指摘への対応、各施設固有の設置目的の明確化、地域への発注の可能性の検証など、きちんと市全体で整理できているのかも不透明であります。
 その他にも、市内業者の育成や税源の涵養の視点に欠けており、今回の指定にいたる市の審査は妥当だったと言えるのか、代表質疑の答弁、分科会や常任委員会での審査を通じても、その疑問を払拭することはできず、やむを得ず継続審査を主張した次第です。
 今後も真摯な議論をしたいと思います。

●平成23度当初予算の概要
 新年度の予算編成に当たり、市税が前年度と比較すると増収が見込めますが、財政調整基金など各種基金の残高も僅かとなっており、歳出面では、少子・超高齢社会への対応や景気対策への的確な対応などに多額の財政需要が見込まれるともに、子ども手当や生活保護費などの扶助費の増加に歯止めがかからない状況であることから、昨年10月の時点では、約135億円の収支不足が生じるとの見通しが当局から示されました。
 この収支不足135億円への対応としては、市税等の徴収対策や未利用市有地の処分、保育料などの公共料金の見直しの他、我が会派が森田県知事に要望した子ども医療費助成における県単独補助金の増額などにより、合わせて約66億円を捻出し、人経費の削減や事務事業の見直しなどにより、約49億円の削減をしましたが、結局、市債管理基金から20億円の借り入れという禁じ手を使わざるを得ず、決して楽な予算編成ではありませんでした。
 そのような厳しい中で編成された平成23年度の予算規模は、一般会計で3,582億円(前年度比2.2%増)、特別会計で3,684億3,700万円(0.5%減)、合計で 7,266億3,700万円(0.8%増)となり、過去最大の予算規模となりました。
 この増額となる主な要因は、昨年と同様に、子ども手当支給の約230億円(前年度比約53億円増)、生活保護費の約281億円(同じく約43億円増)と扶助費が相も変わらず急増傾向にあることであります。ここにメスを入れない限り、本市のみならず、地方自治体は厳しい財政運営が強いられます。
 ただ、昨年度と比較しますと、地域経済の活性化に資する中小企業金融対策の充実や、土木事務所予算の増額、進展する少子・高齢社会を踏まえた保育所、特別養護老人ホームの整備、児童、生徒の安全を確保する学校施設の耐震化対策など、市民要望に応えうる施策が盛り込まれており、わが会派が、昨年9月に提出しました要望書の内容も、口腔がん検診の実施、子ども医療助成事業の通院医療費の対象の小学校3年生までの拡大、病後児保育の増設など、ある程度反映されている上に、市債発行の抑制を図られており、評価できる内容となっております。
 一方で、新年度予算案に、緊急性や必要性の観点から疑問のある新規事業が盛り込まれていることや、指定管理者の選定方法など、課題が浮き彫りになった他、24年度以降も、本市の財政状況が危機的な状況にあることを踏まえると、これら新規事業の執行段階での見直しも含め、実施事業の選別と、より一層の行政改革の推進は喫緊の課題であると考えます。

 

代表質疑
2月18日に会派を代表して行いました代表質疑とそれに対する市長及び関係当局からの答弁の一部を以下、掲載します。

代表質疑の通告内容

1 市政運営の基本姿勢について
  (1)新年度予算編成について
  (2)財政健全化に向けた取組みについて
  (3)市税について
  (4)第2次5か年計画について
  (5)実施計画について
  (6)指定管理者と外郭団体について
2 総合政策行政について
  (1)ホームページのリニューアルについて
3 市民行政について
  (1)区役所機能の充実強化について
4 保健福祉行政について
  (1)口腔がん検診について
  (2)猫の適正飼養ガイドラインについて 
5 こども未来行政について
  (1)待機児童対策及び幼児教育の充実について 
6 環境行政について
  (1)焼却ごみ1/3削減の推進について  
7 経済行政について
  (1)中小企業の支援について
8 都市行政について
  (1)今後の住宅政策について
  (2)千葉駅周辺の将来像について
9 建設行政について
  (1)道路占用条例の一部改正について
  (2)国道357号湾岸千葉地区改良事業について
10 教育行政について
  (1)文化財保護行政の推進について

 

主な質問と答弁

緊急性のない新規事業の選別を
●『新年度予算編成について』
 本市では、市税収入の増収が見込まれる一方で、少子・超高齢社会への対応や景気対策への的確な対応などに多額の財政需要が見込まれ、昨年度に引き続き厳しい財政状況に直面しています。
 また、予算編成前には、135億円の収支不足が見込まれ、市民の負託に応える予算が編成できるのか心配していたところです。 
 そこで、厳しい財政状況の中、新年度予算編成にあたり、どのような方針で取り組み、現在の社会経済情勢への対応として、どのような点に配慮したのか。
 また、当初見込まれた約135億円の収支不足は、どのように対応されたのか。
☆答弁(市長)
 予算編成の方針と配慮した点についてですが、第一に、財政再建への次なるステップとして、財政健全化に向けた取組みを着実に推進していくこととし、第二に、限られた財源の中でも十分に光を当てるべき分野、具体的には高齢者、障害者、子どもといった手助けを必要としている方々への施策など「地域社会の絆の再生」に向けた取り組みを推進することとし、きめ細かに予算を配分しました。 
 次に、予算編成前に見込まれた135億円の収支不足についてですが、歳入確保対策として、市税等の徴収対策の強化や市有資産の活用、子ども医療費の県単独補助金の増額などに努めるほか、歳出削減では、人件費の縮減や徹底した事務事業の整理・合理化などを行いましたが、これらの対策を行ってもなお収支が不足したことから、やむを得ず財政健全化プランの範囲内で、市債管理基金から20億円の借り入れを計上しました。
★要望
 結局は、市債管理基金から20億を借りて帳尻を合わせたことを考慮すれば、行財政改革を一層推進し、必要な予算とそうでないものを今まで以上に選別することが重要となってくることは間違いないわけで、特に緊急性のない新規事業の立ち上げは避けるべきです。
 もし、そのような余裕があるならば、今年度、必要性を有しながらも削減された事業の復活に努めるべきです。

コストを重視した結果は?
●『指定管理者と外郭団体について』
 今年度は、多くの施設において、指定管理者の指定期間が満了することから、次期指定管理者の指定について、議案が提出されております。
 そもそも、指定管理者制度は、民間企業等の能力を活用することで、市民サービスの質の向上と行政コストの縮減を図るという行政改革の手法として、これまで国が推奨し、全国自治体において導入が進められてきたものでありますが、昨年末、総務省自治行政局長から全国の知事、市長、議長あてに「指定管理者制度は、単なる価格競争による入札とは異なるものである」という内容の通知があり、片山総務大臣も、「コストカットのツールとして使ってきた嫌いがある」と、これまでの取組みを否定するかのような発言があったことは重要な点と認識しております。
 そこで、今回の再選定の結果、コスト削減の効果額はどのくらいか。
 また、指定管理者に選定されなかった外郭団体の職員は、他の外郭団体に転籍する方針が示されておりますが、これに伴う、コストの増があるのであれば、併せて、お答えください。
☆答弁(市長)
 再選定によるコスト削減効果と外郭団体職員の転籍に伴うコスト増についてですが、再選定の結果、来年度から平成27年度までの5年間で約20億円のコスト削減効果を見込んでいます。
 一方、指定管理者に選定されなかった外郭団体職員の転籍に伴う所要額についてですが、来年度より業務が縮小する都市整備公社と来年度末に廃止を予定している動物公園協会職員の転籍を含め、同じ5年間で最大で約5億円になるものと見込んでいます。
 なお、転籍については、これまで外郭団体に派遣していた市の職員を引き揚げること等を基本に行うこととし、外郭団体の設置者である本市が、最大限、職員の雇用の確保に努めることとしたものであります。
★要望
 今回、転籍に伴う経費は外郭に団体に支払う経費しか計上しておらず、派遣を引き上げられた市職員の人件費は計上されていないと思います。
 また、収益事業を失った外郭団体が今後行っていく事業継続のための支援費についても計上されておりません。
 さらに、指定管理業者が市内業者から市外業者や準市内に変わったケースも増えており、市内業者育成や税源の涵養といった視点からも若干疑問も残り、千葉市全体を見たときにはそんなに大きなコストメリットがあったのかさらに検証する必要があります。
 より制度の導入目的に沿った効果を上げるためには、今回の配点基準や発注方法がいいのか再考の余地があると思います。

区役所体制が大幅に改正
 ●『区役所機能の充実強化について』
 市民に最も身近な行政機関である区役所への分権推進や、区役所機能の充実の取組みを各政令市では始めています。
 本市でも、22年度は、土木事務所、環境事業所、公園緑地事務所の3事業所と区役所の役割の見直しの検討をされており、先の第4回定例会では、その基本的な考え方と、23年度に向けての取組みの概要を伺ったところであります。
 そこで、今回の区役所機能の見直しの中で、区における組織や予算などを含め、執行体制はどのようになるか。
☆答弁(市長)
 平成23年度の区役所の組織については、区民に身近で総合的な行政機関として、広報・広聴及び地域づくり等の区役所の役割を強化するため、各区役所の総務課と地域振興課を統合し、新たな地域振興課とします。
 併せて、同課に、事業の企画・推進、町内自治会等との連携及び市民主体のまちづくりの推進等を所管する課内室として「地域づくり支援室」を、また広聴、防犯及び防災等を所管する課内室として「くらし安心室」を新設します。
 次に、新たに実施する事務については、窓口サービス提供機能の強化として、「くらし安心室」において新たに多機能パトロールを実施することとし、パトロール中に発見した道路の損傷が、緊急かつ軽易な修繕と判断した場合は、区役所でも対応ができるよう所要の土木関連予算を新たに区役所へ配付するほか、これまで以上に土木等3事業所と緊密な連携を図り、柔軟かつ迅速な対応を行うため、「くらし安心室」には、土木職の職員を配置することを考えております。

格差是正に新たな支援制度を
●『幼児教育の充実について』
 現在、国において幼保一体化の論議がされていますが、幼稚園関係者の理解が得られていないのは、保育所の待機児童対策を重視するあまり、幼児教育の充実や強化といった視点からの議論が不足しているからではないでしょうか。
 そこで、保育所と幼稚園の公費負担や保護者負担の違いについての認識と今後の取り組みについて。
 また、現在、保育園に助成されているものと同等の健康保持・増進に関する補助制度を、私立幼稚園に対しても助成すべきと考えますが、見解をお伺います。
☆答弁(教育長)
 保育所と幼稚園では、機能や役割、更には、所管官庁の財政措置の違いなどから、現状において、公費負担や保護者負担が異なっていることは、認識しております。
 今後の取り組みですが、現在、国の「こども・子育て新システム検討会議作業グループ」において、幼保一体化について議論されており、その中で、幼児教育と保育に係る財政措置と利用者負担の公平性の確保について、検討がなされているため、今後、国の動向を注視して参ります。
 次に、幼稚園に対する新たな補助制度の創設についてですが、現在、国で議論されている、幼保一体化の動向を見極めつつ、他都市の実施状況等を調査し、検討して参ります。
★要望
 今回提案した健康保持・増進に関する補助制度は、幼保格差を埋める施策の第一歩だと思います。所管が一体になったことより、幼保格差について当局も認識してきたと思いますので、今後、昨年削減された就園奨励費に見合うような支援制度創設についても検討を深めて頂きたいと思います。