明日の千葉を見つめて
議会レポート
平成26年度第1回定例会(市議会レポート47号)


震災から3年~災害に強い千葉市を目指して~
 東日本大震災から丸3年が経過しました。本市も多くの地域で被災をし、特に美浜区を中心に大規模な液状化が発生し、甚大な被害を受けたところです。
 この3年でインフラ等の復旧は進んできましたが、抜本的な対策はまだまだ進んでいないのが現状です。一つの理由としては、工事費用も多額で、個人負担も大きくなることが挙げられます。いくつかの対策の中でも、地下水をポンプアップして噴砂を抑制する「地下水位低下工法」と、宅地や道路の境界の地下に格子状の壁を設けて土地の変形を抑制する「格子状地中壁工法」が有効であるとして、前者については実証実験を行い、ある一定の効果を確認できたところであります。しかしながら、いずれの工法も形を地元負担が大きく、国の復興交付金の延期については取り沙汰されているものの、現状では平成27年度までされていることから、早期に取り組んでいかなければなりません。
 一方で、学校施設の耐震化については、平成26年度末には100%を達成できる見込みとなり、一区切りを迎えることができそうです。
このようにハード面の整備も大事ですが、震災から得た教訓の多くはソフト面にあると思います。災害予防と減災、応急復旧活動等の対策を実施する際に、防災関係機関、公共的団体及び市民が実施すべき事務を定めた総合的かつ基本的な計画である「千葉市地域防災計画」も震災の教訓や課題を踏まえて昨年修正し、さらに国の災害対策基本法の改正を受けてこの3月に修正したところです。この地域防災計画を全て読んで実行するのは大変ですが、少しでも市民の皆様の防災意識が高まるよう、執行の中で様々な工夫をしていきたいと思います。
 また、市議会においても他都市に先駆けて大規模防災ハンドブックを作成し、今議会では防災訓練を行うなど、防災意識向上に努めております。
 さらに防災に強いまちを目指して邁進する所存ですので、今後益々のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

第1回定例会より
●今議会の概要
 平成26年度第1回定例会は、2月20日に召集され、3月18日に閉会しました。
 今定例会に市長から当初提案された議案件数は、68件で、最終日に追加提案された人事案7件を加えた合計75件を審議しました。その内訳は、予算案28件(補正予算10件、当初予算18件)、条例案31件(制定7件、一部改正21件、廃止3件)、一般議案7件(公有水面埋立地の用途の変更1件、 財産の処分変更1件、財産の処分反訴の提起1件、事業計画の変更1件、指定管理者の指定1件、包括外部監査契約1件、市道路線の認定1件)、諮問2件(歳入の督促に関する処分ついての異議申立2件)、さらに、議員からの発議11件(条例の制定1件、規則の一部改正1件、条例の一部改正2件、意見書7件)と市民からの請願5件・陳情1件が審議されました。
 その結果、市長提出のすべての議案及び議員発議については、共産党から提出された条例制定案を除いて全員一致もしくは賛成多数で可決されました。
 また、請願・陳情については、第5号「小倉台駅前葬儀場建設反対に関する請願」が全員一致で採択された他は、全て不採択となりました。

●当初予算の概要について
 平成26年度当初予算の規模は、
   一般会計 3,753億円 (昨年度比4.4%増)
   特別会計 4,234億6,100万円 (同8.8%増)
   合   計 7,987億6,100万円 (同6.7%増)
と過去最大の予算編成となりました。
 その主な要因は、歳入面では、市民税が給与所得の増加や企業収益の回復により増額となるほか、固定資産税が新増築家屋の増により増額となること、さらに地方消費税の税率の引上げなどにより増額になるともに、国庫支出金も、生活保護費収入、液状化対策推進事業費収入が増額となることが挙げられます。
 歳出面では、職員手当の支給水準の見直しなどにより人件費が減額となるものの、生活保護費や障害者介護給付等事業費などの扶助費が大幅に増額となるほか、公債費が増額となるとともに、宮野木町第1団地第二期建替えや液状化対策推進事業費、JR幕張駅前広場暫定整備の進捗に伴った土地区画整理事業などの投資的経費、企業立地促進融資預託金や介護保険事業繰出金などが増額となることから、大幅な増額となっています。特に生活保護費が330億円を計上し、款別の構成比率で民生費が36.6%を占めるなど、財政圧迫の要因となっております。
 財政健全化に向け、努力しているところでありますが、予算編成前には、約93億の財源不足が生じるということで、財政調整基金の取崩しや退職手当債の発行に加えて、禁断ともいえる市債管理基金からの借り入れを行い、何とか帳尻を合わせたところです。
 このことについては、我が会派でも不要不急もしくは効果が薄そうな新規施策については見送ってもいいのではないかという議論も噴出しましたが、最終的には、執行の中での対応も可能でありますし、子ども医療費の拡大や就園奨励費の増など子育て支援の充実や地域経済の活性化策、都市基盤整備といった投資的な事業など、評価できるところもあることから、賛成することにいたしました。
 本市の財政状況もまだまだ厳しい状態にあることを踏まえると、これら新規事業の執行段階での見直しも含め、実施事業の選別と、より一層の行財政改革の推進を求めていきたいと思います。

●注目の事業について
 平成26年度予算には、基礎調査や計画策定といった将来のまちづくりに大きな影響を与える事業が多く盛り込まれておりますので、そのうちのいくつかの事業を紹介したいと思います。
 まずは、「第2次実施計画」の策定であります。これは平成23年に策定した千葉市新基本計画に基づいた最初の実施計画が平成26年度までの計画期間となっていることから、平成27年度から29年度までの次期実施計画を策定するものです。基本計画の施策体系に合わせた具体的な取り組みが示されるものでありますので、この中身についてはしっかり精査していきたいと思います。
 次に、「都市アイデンティティ調査」です。本市に希薄なのは、本市固有の都市イメージ、所謂「千葉市らしさ」であると思います。「千葉と言えば?」という問いに対して明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。このことについては、昨年の第3回定例会の一般質問でも指摘し、都市イメージの確立を求めたところですが、この度800万円の予算が計上されたことは大いに評価したいと思います。
 ただ、本市の良さというのは、一言で片づけられないところにもあるので、一面的なものにならないように注視するともに、この調査結果に基づいた戦略づくりにもしっかり意見をしていきたいと思います。
 この他にも、経済成長アクションプラン、こどもプラン(仮称)、高齢者保健福祉推進計画、本庁舎整備の基本構想・基本計画案、千葉駅周辺活性化グランドデザイン、稲毛・幕張海浜エリア活性化方策、千葉公園新体育施設の整備に関する基礎調査、IR導入可能性調査、自転車によるまちづくりのニーズ把握などが予算計上され、かなり意欲的な内容になっています。
 ここでの調査や計画によって、本市の将来が大きく左右されますので、是非、市民の皆様も忌憚のないご意見ご要望を寄せて頂きたいと思います。
 特に、長らく要望していた千葉公園の新体育施設については、プールと体育館と末広町にある千葉市武道館の機能を合わせた施設となる予定ではありますが、何も声を挙げず、放っておけば、これまでの慣例に従って、大会の開催にも供せないような中途半端な施設にもなりかねないので、関係団体と協力しながら要望活動をしていきたいと思います。

市政に関する一般質問
3月14日に行なった一般質問とそれに対する答弁の一部を以下、掲載します。

   1 ビッグデータ・オープンデータの活用について
   2 本市の農政のあり方について
   3 海辺の活用について
   4 動物行政について
     (1)適正飼育について
     (2)人獣共通感染症について
     (3)学校飼育動物について

●『ビッグデータ・オープンデータの活用について』
 対象となるデータを分析するためには適切なツールが揃っていることも重要であり、そして、それを使いこなせる人がいなければ無用の長物になってしまいます。
 外部との連携も重要ですが、職員の中でも、データ活用に関するアイディアやデータを見る目といった能力、まさに情報リテラシーを有した人材育成が急務であります。
 人材育成というのは一朝一夕にはいかないと思いますが、職員のリテラシーも向上させていかないと的確な施策への反映が実現できません。
 これらのデータを活用し、知見として蓄積していき、さらに政策として反映していくためには、庁内シンクタンクの創設が必要であると考えますが、当局の見解をお伺いします。
☆答弁(総務局次長)
 ビッグデータを政策立案に活かすためには、高度な分析スキルが必要になることから、政策に反映できる体制づくりを含め、今後検討していきたいと考えております。
 なお、今後、効果的な行政改革の実現に向けて、中長期的な全庁横断的課題や大きな改革効果が見込まれる課題などの改革案を策定するため、人事・組織や法務、財政、情報分野等の経験・知識を有する職員による庁内コンサルタントチームを設けることを検討しているところです。
★要望
 これまで庁内シンクタンクの創設について、幾度となく求めてきましたが、知見の蓄積とともに、人材育成にも資するので、形はどうであれ、現在進めている検討状況のものを早期に実施へ移行できるよう、お願いします。

※ビッグデータ・オープンデータとは
 ビッグデータとは、インターネットの普及によって、文字だけでなく、音声や写真、動画などのデジタルデータ、さらには利用状況や通信 記録などのログと呼ばれる日々生成され、蓄積されていく、大容量のデジタルデータを指します。
 近年、このビッグデータを高速かつ簡単に分析できる技術が登場し、これまで予想できなかった新たなパターンやルールを発見できるようになりました。
 アマゾンや楽天などのオンラインショップにおいて購買履歴やサイト内のアクセス情報などのビッグデータを基に、他のおすすめ商品を表示するリコメンド機能がその代表的な活用事例です。
 その他、健康情報や位置情報、気象情報など、様々な分野で活用できるデータが含まれているため、新たな市場の創出が期待されています。
 一方、オープンデータとは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が望むように利用・再掲載できるような形で入手できるデジタルデータのことで、行政機関が保有する地理空間情報、防災・減災情報、調達情報、統計情報などの公共データを、利用しやすい形で公開することを指すのが一般的となっています。 
 このオープン化されたデータは行政機関だけでなく、民間の企業や個人の手で活用されることによって、行政改革や経済の活性化につながることが期待されています。

『本市の農政のあり方について』
 最近はオランダの農業への注目が高まっています。その理由は、九州とほぼ同面積で、人口もほぼ九州と同じような、小さな国がアメリカに次ぐ世界第2の農業輸出国であるからです。
 農業生産物の約8割をEU各国に輸出し、高い土地生産性、効率的な労働生産性を獲得した背景には、ITが大きな貢献をしていると言われています。
 オランダの温室栽培は、日本のビニールハウスとは異なり、ほとんどのハウスはガラスで構成されており、ハウス内の温度、湿度、CO2濃度、日射量などの生育環境や、灌水、肥料の投与まで自動的に制御されていて、まるで工場のようになっています。
 その結果、トマトの単位面積当たりの収穫量は日本の3倍という高い生産性を誇っています。
 このような農業は、農業とITが融合した新しい形態のビジネスであり、IT農業、あるいはスマートアグリといわれています。
 そこで、ITを活用したスマートアグリに対する当局の見解をお伺いします。
☆答弁(経済農政局長)
 国のIT国家戦略では、農業分野での目指すべき姿として、「農業・周辺産業の高度化・知識産業化」を掲げております。
 ITを活用したスマートアグリについては、農業における 競争力の強化に繋がることから、千葉大学環境健康フィールド科学センターなどの先進的な取組みを参考に、今後の研究課題として参ります。
★要望
 スマートアグリについては、まだ研究段階で、効率的に行うためには、大規模集約化が必要です。とはいえ、将来の農政を見据える上で欠かせない技術だと 思いますので、前向きな検討をお願いします。

『海辺の活性化について』
 市長のマニフェストにも、「稲毛海浜公園・幕張海浜公園に砂浜に面したシーサイドレストラン・カフェなどの施設を整備する」とありますし、この他にも賑わいを創出するような建物をつくるべきです。
 そこで、稲毛海浜公園や幕張海浜公園は、法的にはどのくらい建物を建てられるのか、お伺いします。
☆答弁(都市局長)
 稲毛海浜公園は、既存の建物を除くと、約2万5,000平方メートルが、新たに建築できる面積の基本的な上限となりますが、四阿などの休養施設や体育館などの運動施設、講習室などの教養施設を整備する場合は、許容建築面積の特例を受けることができるため、この場合、最大で約7万1,000平方メートルまでの建築が可能であります。
 幕張海浜公園については、既存建物を除き、県条例の規定により算出すると、基本的な上限として約1万3,000平方メートル、許容建築面積の特例を受けた場合は、最大で約6万5,000平方メートルまでの建築が可能であります。
★要望
 かなり大きなものも建設できるので、これからのグランドデザインを策定する際には、リピーターが多くなるような集客施設をつくり、人々が回遊するような流れを作って頂きたいと思います。
 ただ、現在、幕張海浜公園は、県の管轄となっているので、早く市の管理にしてもらいたいものです。県との協議が整わなければ、グランドデザインも絵に描いた餅に終わってしまいますので、可及的速やかに対応をよろしくお願いします。

●『動物行政について』
 学校の現場では、様々な小動物を飼育することにより、生徒たちの情操教育に役立ててきました。
 平成23年に改正された学習指導要領においても、動物の飼育、継続飼育が義務付けられたところであります。
 しかし、昨年5月現在の学校飼育動物の現状は、小学校87校で、8種類、298個体と、小学校117校で、23種類、3,102個体に比べて、びっくりするほど減少しています。
 この減少理由は、飼育小屋の環境に応じた、適切な飼育数や、動物アレルギーの子どもへの配慮から、全国的に減少しており、本市においても同様の傾向にあります。
 動物アレルギーの配慮といった今日的な問題には一定の理解するものの、学習指導要領に義務付けされたにも関わらず、これほどの減少傾向にあるというのはどうも腑に落ちません。
 また、飼育小屋の老朽化も進んでいるところやあまり飼育環境が芳しくないところもあるとも伺っています。適切な管理が行われなければ、生徒たちの教育に逆効果になりかねません。
 そこで、専門家である地域の獣医師に協力を仰ぐべきだと思いますが、獣医師会及び地元獣医師との連携状況はどのようになっているのか、お伺いします。
☆答弁(保健福祉局長)
 本市では平成11年度から、千葉市獣医師会と委託契約を結び、市内小学校の飼育動物のけがや病気の治療をお願いしております。
 また、あわせて、飼育環境や病気の予防等についてのアドバイスもいただいております。
 さらに、学校訪問指導において、飼育委員の児童に飼育方法についての指導や、低学年児童にウサギの抱き方やえさのやり方などの体験学習を実施していただいております。
★要望
 動物の飼育は子どもたちにとって、命の大切さを学ぶなど、心の健全な発達にも大きな影響をもたらしてくれます。しかし、様々な理由から家庭で動物が飼えない子にとって動物に触れる機会は学校しかないという中で、学校でも飼育動物の状況にバラつきがあるのは看過しがたい問題です。
 また、獣医師との委託契約によって治療などのお願いはできる環境は整っているものの、学校に来てもらって治療や指導をお願いすることまでは、獣医師さんに対する遠慮もあって頼みにくいといったような声も現場から聞きました。やはり校医的な制度として、学校獣医師制度が確立されていれば、飼育環境の整備も含めて、これらの諸課題が解決していくのではないかと思います。

(以上が3月14日に私が行った質問内容と答弁の概要です)